日本海沿岸には、夏季ではめったに発生しない巨大なピーク電流を持つ落雷がしばしば起きる。このような巨大落雷は送電鉄塔や大型風車等の施設に大きな被害をもたらしている。本研究では、負極性と正極性両方の巨大落雷の特徴を解明した。特に今まで知られていない負極性の巨大落雷の特徴を初めて明らかにした。負極性巨大落雷は沿岸部の陸地に集中する傾向も判明したので、大型風車等の施設の落雷被害の主な原因になっている可能性が高い。また、正極性落雷のピーク電流値は雷撃の前駆放電過程との関連性を明らかにした。強いピーク電流を持つ正極性落雷を発生する雷雲の電荷構造も判明した。これらの成果は巨大落雷を予測する可能性を示した。
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