研究課題
基盤研究(C)
津軽海峡を挟んだ地域でテフラ調査を行い火山ガラスのEPMA分析をすすめた。本地域における従来の調査報告では、最終氷期以降の堆積物中に介在する角閃石を含有するテフラは十和田八戸テフラと濁川テフラの2つのみを対比対象として報告され、より若い層準で見つかった場合でも、両テフラの再堆積として解釈しているケースが多い。しかしながら、本研究では当該地域において上記の2テフラ以外にも角閃石を含むテフラが複数存在することを発見した。これらの給源火山として、渡島大島である可能性を検討する必要がある。
第四紀学
研究対象地域で15ka以降に見つかった角閃石を含むテフラの給源火山として、これまでに報告されている十和田火山と濁川火山以外の火山を想定する必要があることが明らかになった。このことは、本地域ではこれまでに想定していない火山活動によってもたらされる可能性があることを示している。さらに、15ka以降を対象とした研究に加えて、その基盤となっている地質も調査をしたところ、後期更新統および前期更新統の地質においても新しい編年の枠組みを構築することができた。