研究課題/領域番号 |
21K03687
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
安達 聖 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究部門, 特別研究員 (80719146)
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研究分担者 |
勝島 隆史 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00611922)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 積雪粒子 / 形状特性 / 非破壊計測 / X線マイクロCT / 粒子形状変化モデル |
研究実績の概要 |
本研究は,X線マイクロCTを用い雪粒子の形状を捉え複数の形状指数を用い表現する新手法に基づき雪粒子の形状を表現することで定量的に表現することが難しかった形状特性を明らかにし,定量的な種類判別の手法を提案する.また,X線CT内で雪粒子の変態実験を行い,連続的に計測することで雪粒子の形状変化の実態を解明し,これを示す「粒子形状変化モデル」を構築すること目的としたものである. 当該年度では新雪とこしもざらめ雪の自然積雪を対象に,X線マイクロCTを用いて積雪の3次元データを取得した.取得した積雪の3次元データに3D-Watershed法を用い粒子分割を行ったのち形状指数分析を行った.その結果,新雪の粒子形状は楕円体近似した際の扁平度合いが高く板状または針状であることが定量的に示された.一方,こしもざらめ雪の粒子形状は新雪に比べ楕円近似した際の扁平度合いは低く,比較的球状に近いことが示された.また,角ばり度合いを示す形状指数分析においても球状よりの値を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究所における新型コロナウイルスの感染拡大対策のため,県外への移動を控えていたため自然積雪の採取が十分に行えなかった.また,研究代表者本人が令和3年2月に新型コロナウイルスに感染したため,自然積雪の採集に適した2月から3月の間,研究活動を十分に行うことができなかったためである.
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続し冬期間に様々な雪質の自然積雪を採集し,X線マイクロCT装置を使用し3次元データの収集を行う.夏期間においては,自然積雪試料の等温変化過程および温度勾配過程により形状変化する雪粒子の3次元データを連続的に収集する.自然積雪試料の温度管理については,X線マイクロCT装置筐体内に設置可能な2枚のペルチェ素子を利用した温度調節器を利用する.これらの取得した3次元データについて形状指数解析を行い,雪粒子の形状を定量的に表現することで,形状変化を連続的に表現する「粒子形状変化モデル」の構築を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響により、予定していた県外山岳域での自然積雪の採取を断念したため,当初使用予定に挙げていた旅費,物品費を大幅に執行しなかった.次年度においては、引き続き自然積雪を採取するための旅費,物品費として使用する。
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