研究実績の概要 |
令和3年度は,埼玉県の公表している2200本のボーリング柱状図資料を用いて,中川低地北部を含めた関東平野中央部における沖積層の基盤地形を復元した(田辺,2021,地質学雑誌).この沖積層の基盤地形は,沖積層の厚さ分布を示しており,中川低地北部におけるボーリング調査地点とその掘進長を確定させるために用いた. 関東平野中央部では,これまでに産総研によって45地点のボーリング調査がなされている.また,採取されたボーリングコア堆積物からは800点に及ぶ放射性炭素年代測定がなされている.これらの年代値をコンパイルし,解析したところ,沖積層のデルタフロント堆積物では,4割にのぼる年代試料が再堆積したものであることが明らかとなった(Tanabe et al., 2022, Scientific Reports).このような解析結果は,中川低地北部におけるボーリング調査で採取した試料から,堆積年代に近い試料を選定する際に活かされる.
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