本研究では、石油・ガスなど地層流体の移動経路として機能する微細な堆積岩ファブリックを解明した。従来の手法では、割れ目ファブリックを三次元かつ定量的に評価することは困難であったが、我々はその評価に磁鉄鉱の懸濁液(磁性流体)を用いた。高圧下で、磁性流体は浸透性フラクチャーに沿って岩石に浸透し、流体の移動方向を示唆する。高精度X線CTスキャナーを用いて、堆積物粒子に隠れた無数の微化石が見出された。それは、地球史の大量絶滅と密接に関連した海洋無酸素事変プロセスを示すものである。本研究では、総合的な地質構造解析によって、沈み込み帯に発達する堆積盆における重要な断層群の可視化に成功した。
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