研究課題/領域番号 |
21K03727
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
望月 伸竜 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60422549)
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研究分担者 |
石川 尚人 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30202964)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 地磁気逆転 / 地磁気エクスカーション / 古地磁気強度 / アファー |
研究実績の概要 |
21年度に予定していたエチオピア,アファー地域のTendaho Grabenでの試料採集の調査は,新型コロナの影響により実施できなかったため,22年度以降に延期した。21年3月にはアファーに詳しいAddis Ababa UniversityおよびUniversity of KwaZulu-Natalの協力研究者とリモートで打合せを行った。22年度に実施予定の現地調査のスケジュール・対象露頭・移動運搬などの計画を話し合った。今年度は,過去の調査により得られた溶岩試料を用いて,古地磁気測定を進めた。50溶岩の各1試料に対して古地磁気強度測定を実施した。測定した試料のうち約8割は採用できる測定結果を与え,約2割は棄却すべき測定結果であった。今後はこの8割の溶岩を重点的に測定する予定である。これらの50溶岩は過去百万年程度の期間に噴出した溶岩であるので,この期間におけるエチオピアにおける古地磁気強度の平均と分散を把握できる見通しを得たことになる。Tendaho Grabenの正断層に露出する溶岩連続層については,古地磁気方位および古地磁気強度データに見られる変化量に基いて,形成にかかる時間スケールを数枚あたり数百年と見積もった。また,地磁気逆転に類似性のある地磁気変動である地磁気エクスカーションの研究も進めた。フランスの協力研究者と連携して,ラシャンエクスカーションを記録する火山岩を2サイトで採取した。これらの試料に対しての予察的な古地磁気強度測定を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナや政情不安定の影響により,当該年度に予定していたエチオピアでの試料採集調査は実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナや政治の状況が好転しているので,22年度以降にはエチオピアでの調査は実施できる見込みである。ただし確実性はないので,まずは過去にアファーで採取した岩石試料を活用した研究を進めていく。また,地磁気逆転に類似した現象である地磁気エクスカーションの研究を研究計画の一部に含めることにした。22年度にフランスのMassif Centralでの試料採集調査を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
21年度に予定していたエチオピア-アファー地域での試料採集の調査は,新型コロナの影響により実施できなかった。旅費等として180万円を22年度以降に延期した。
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