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2022 年度 実施状況報告書

松山―ブルン地磁気逆転における地磁気ベクトル変動の特性

研究課題

研究課題/領域番号 21K03727
研究機関熊本大学

研究代表者

望月 伸竜  熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60422549)

研究分担者 石川 尚人  富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30202964)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード松山-ブリュン / 地磁気逆転 / エクスカーション / 古地磁気方位 / 古地磁気強度 / 溶岩連続層
研究実績の概要

2022年11月下旬~12月上旬にエチオピア・アファー凹地のテンダホグラーベンにおいて野外調査を実施した。この調査では,松山-ブリュン逆転(77万年前)詳細記録の探索を試みた。これまでに得られたテンダホグラーベン内部の表層溶岩の古地磁気極性の分布を参考にして,松山逆磁極期とブリュン正磁極期の境界を記録している可能性の高い地域の溶岩連続層に狙いを絞った。正断層に露出している溶岩連続層2セクションにおいて,それぞれ18枚・9枚の溶岩から,定方位の岩石試料を採集した。また,エクスカーション方位が報告されている露頭においても5溶岩から試料を採集した。今後は,これらの試料の古地磁気方位・古地磁気強度測定を行い,逆転あるいは逆転に近い年代の地球磁場変動の特性を調べる。
また,2022年9月下旬~10月上旬にはフランスのCentral Massifの火山群において,ラシャンエクスカーション(4万年前)を記録する溶岩とその前後の期間の地球磁場を記録する溶岩を対象に試料採集を実施した。6溶岩にもうけた8サイトにおいて試料採集を行い,計86個の岩石試料を採取した。溶岩試料内部のチタノマグネタイトが冷却過程で被る高温酸化の度合いには多様性があった方が今後の古地磁気強度測定に有用であると考えた。そこで,溶岩の発泡度の違いに注意をはらい,溶岩内部の緻密な部分だけでなく溶岩上部(下部)の発泡度が大きい部分から試料を採取している。持ち帰った試料を用いて,古地磁気強度測定・岩石磁気測定を開始した。すでに2溶岩(ラシャン溶岩,ロワイエ溶岩)について,綱川-ショー法による古地磁気強度測定を行い,それぞれ3個程度の古地磁気強度データを得た。得られたデータのまとまりはまずまず良い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2022年度は延期になっていたエチオピア・アファーでの溶岩試料の採集が実施できた。また,フランスでの岩石試料の採集も実施できた。フランス・Central Massifの溶岩試料に対しては予察的な古地磁気強度測定が済み,複数のデータが得られている。

今後の研究の推進方策

フランス・Central Massifの溶岩試料(6溶岩)に対しては古地磁気強度測定を本格的に進めていく。2023年度内に,古地磁気強度測定・岩石磁気測定を完了させる。エチオピア・アファーの溶岩試料については,全32溶岩に対しての予察的な測定を完了させ,本格的な測定をできる限り進める。

次年度使用額が生じた理由

本年度内に実施予定であった岩石磁気測定・古地磁気測定を次年度に実施するので,それにかかる旅費・消耗品等を次年度に繰越する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] Addis Ababa University(エチオピア)

    • 国名
      エチオピア
    • 外国機関名
      Addis Ababa University
  • [国際共同研究] University of KwaZulu-Natal(南アフリカ)

    • 国名
      南アフリカ
    • 外国機関名
      University of KwaZulu-Natal
  • [国際共同研究] University of Clermont Auvergne(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      University of Clermont Auvergne
  • [雑誌論文] テフラを利用した相対古地磁気強度変動の絶対値較正2022

    • 著者名/発表者名
      望月伸竜, 渋谷秀敏
    • 雑誌名

      月刊地球

      巻: 44(6) ページ: 295-300

  • [学会発表] Paleomagnetism of volcanic rocks in the Tendaho Graben, Afar Depression, Ethiopia: Implications for formation of volcanic rocks at the spreading center2022

    • 著者名/発表者名
      劉 浩田, 望月 伸竜, 加藤 千恵, Kidane Tesfaye, Muluneh Ameha, 藤井 昌和, 吉村 令慧,加々島 慎一, 乙藤 洋一郎, 石川 尚人
    • 学会等名
      JpGU2022
  • [学会発表] Absolute paleointensity study of lava flows from Tendaho Graben, Afar depression, Ethiopia2022

    • 著者名/発表者名
      加藤 千恵, 望月 伸竜, 劉 浩田, Kidane Tesfaye, Muluneh Ameha, 石川 尚人, 加々島 慎一,吉村 令
    • 学会等名
      地球電磁気・地球惑星圏学会第152回講演会

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公開日: 2023-12-25  

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