• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

松山―ブルン地磁気逆転における地磁気ベクトル変動の特性

研究課題

研究課題/領域番号 21K03727
研究機関熊本大学

研究代表者

望月 伸竜  熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60422549)

研究分担者 石川 尚人  富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30202964)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード地磁気逆転 / ラシャンエクスカーション / 古地磁気強度 / アファール
研究実績の概要

本年度は,2022年にエチオピア・アファー凹地のテンダホグラーベンにおいて採集した32溶岩の古地磁気方位・古地磁気強度測定を開始した。各溶岩について,1ブロックから整形した1試料について,綱川-ショー法による古地磁気強度測定を行った。これらの測定結果により,以下のような予察的な測定結果を得た。セクション1(18溶岩)は,逆磁極-正磁極-逆磁極の逆転開始期と推定される不安定な方位変動を記録していた。古地磁気強度は,正磁極のときに一旦強くなり,急減していく過程で逆磁極に入っていき,そのまま減少した強度が続いている。セクション2(9溶岩)はほぼ全て逆磁極であった。古地磁気気強度は,きわめて弱い値を継続していた。セクション3の5溶岩は,すべて中間方位を記録しており,この結果はKidane et al. (2003)で報告されている2つの中間方位とよく似ていた。この5溶岩からもいずれも弱い古地磁気強度が得られ,エクスカーション中の磁場の特徴と考えて良いだろう。
また,2022年にフランスのCentral Massifの火山群において採集したラシャンエクスカーション(4万年前)を記録する溶岩とその前後の期間の地球磁場を記録する溶岩に対する古地磁気方位・古地磁気強度測定をほぼ完了することができた。綱川-ショー法による古地磁気強度測定の結果、測定した58試料中41試料が合格基準を満たした。その結果,7溶岩8サイトについて,各サイトから強度データを3-6個得ることができ,それらの平均を各サイトの古地磁気強度データとして採用した。ラシャンエクスカーション期間の中間方位を記録する溶岩からは,従来報告されていた強度よりも10-40%程度弱い古地磁気強度を得た。また,正帯磁の溶岩からも1サイトはエクスカーション記録と同程度に弱い古地磁気強度を得た。この溶岩はエクスカーション期の始まりか終わりの地球磁場を記録している可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画では2021年度に試料採集のためのエチオピア調査を行う予定であったが,コロナ禍の影響を受けて実施できなかった。計画を見直し,2022年度にフランスおよびエチオピアでの調査を行った。そのため進捗が1年程度遅れている。

今後の研究の推進方策

2024年度はエチオピアで採集した溶岩試料の古地磁気強度測定を集中的に進める予定である。フランスで採集したラシャンエクスカーション記録の古地磁気強度測定の結果についてはほぼ完了しているので,残りの測定を行い,論文化をする。

次年度使用額が生じた理由

計画を1年延長したため,実験消耗品などが必要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [国際共同研究] アジスアベバ大学(エチオピア)

    • 国名
      エチオピア
    • 外国機関名
      アジスアベバ大学
  • [国際共同研究] ウェイン州立大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ウェイン州立大学
  • [雑誌論文] Temporal change in rock-magnetic properties of volcanic ashes ejected during a 1-year eruption event: a case study on the Aso Nakadake 2019?2020 eruption2023

    • 著者名/発表者名
      Anai Chisato、Ohkura Takahiro、Yoshikawa Shin、Mochizuki Nobutatsu
    • 雑誌名

      Earth, Planets and Space

      巻: 75 ページ: 24

    • DOI

      10.1186/s40623-023-01783-x

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 綱川-ショー法・IZZI-テリエ法によるラシャンエクスカーションの絶対古地磁強度測定2023

    • 著者名/発表者名
      坂口拓也, 望月伸竜
    • 学会等名
      地球電磁気・地球惑星圏学会2023年秋季年会
  • [学会発表] エチオピア・アファール凹地における徒歩磁場観測データの解析2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤 良介, 吉村 令慧, 石川 尚人,Tesfaye KIDANE, 加々島 慎一, 望月 伸竜, 宇津木 充
    • 学会等名
      地球電磁気・地球惑星圏学会2023年秋季年会
  • [学会発表] 阿蘇2/1溶岩の古地磁気学的研究2023

    • 著者名/発表者名
      望月 伸竜,大西 優輝,石丸 聡子
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年大会
  • [学会発表] 新手法によるラシャンエクスカーションの絶対古地磁強度測定(初期分析)2023

    • 著者名/発表者名
      坂口 拓也,望月 伸竜
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年大会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi