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2021 年度 実施状況報告書

真核生物のゲノム解析から探るシリカ被殻形態制御の進化と顕生代の古海洋環境

研究課題

研究課題/領域番号 21K03734
研究機関東京学芸大学

研究代表者

高橋 修  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20242232)

研究分担者 湯浅 智子  東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (80590629)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード放散虫 / 共生藻 / ゲノム / シリカ / 骨殻 / 緑藻
研究実績の概要

本年度は,琉球大学瀬底実験施設において,計2回の調査と実験船によるサンプリングを実施した.本年度は,それらのサンプルから,海洋原生生物放散虫ポリキスティナの数種について,申請した位相差顕微鏡による観察および走査型電子顕微鏡観察,透過型電子顕微鏡観察, 分子系統解析を通して,各種の検討を行った.当該海域での季節を変えてのサンプリングをすることで,多様な放散虫種について検討を行う事ができた.
短期ではあるが,培養観察の結果,複数の放散虫種においてリプロダクションを観察し,それぞれについて大量の遊走子細胞を回収し,今後のゲノム抽出のための試料として冷凍保存を行った.一方で,同時に,それぞれの放散虫種に共生する共生藻についての検討も行った.その結果,本年度に関しては,緑藻に属する新規の共生体2種の同定をおこなうことができた.これらの藻類に関しても,単離して培養をおこない,位相差顕微鏡による観察および走査型電子顕微鏡観察,透過型電子顕微鏡観察を通して種の同定と, 分子系統解析による系統学的な位置を確認する予定である.現在のところ,これらの緑藻うちのひとつは,ピコサイズの緑藻で,これまで記載されていないものと判明し,特異的に放散虫に共生する種と考えられる.今後,これらの共生藻についてもゲノム解析をおこない,宿主放散虫やその他の生物群のものとのゲノムデータの比較をして,放散虫のバイオミネラリゼーションやその起源についての考察を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

放散虫におけるシリカ骨殻の形成について,他の系統からの遺伝子水平伝播の可能性を鑑みて,その可能性のある放散虫とその共生体両方の遺伝子探査を進めている.本年度に関しては,緑藻に属する新規の共生体2種の同定をおこなった.また,放散虫本体のゲノム解析を進めており,そのデータも蓄積しつつある.

今後の研究の推進方策

放散虫ゲノム解析については,今後,有孔虫や珪藻などとのゲノムデータの比較を行い,放散虫のバイオミネラリゼーションやその起源についての考察を行う.また,薬品により作為的に共生藻類を一度排除し,その後再び,共生していた藻類の遊走細胞と一緒に飼育することにより,藻類をとりこむ仕組みを解明する.放散虫による藻類の再獲得のようすや細胞内での藻類の個体数の変動,共生状態の解除のきっかけ,特異性のない藻類に対して放散虫がどのような挙動を示すのかなどを探る.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] Bigelow Laboratory for Ocean Sciences(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Bigelow Laboratory for Ocean Sciences
  • [国際共同研究] Oslo University(ノルウェー)

    • 国名
      ノルウェー
    • 外国機関名
      Oslo University
  • [雑誌論文] Ultrastructural observation of a symbiotic dinoflagellate Zooxanthella nutricula from radiolarians collected off the northwestern coast of Okinawa Island, Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Yuasa, Takeo Horiguchi, and Osamu Takahashi
    • 雑誌名

      Galaxea, Journal of Coral Reef Studies

      巻: 24 ページ: 105-117

    • DOI

      10.3755/galaxea.G2021_S5O

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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