研究成果の概要 |
四国におけるハタネズミの地域的消滅と火山噴火の降灰に伴う環境変化との関係について検証するため,高知県日高村の猿田洞(約35,000年前の化石産地)と佐川町の穴岩の穴(約8,800年前と7,300年前の遺跡)で古生物調査を実施した.猿田洞の堆積物からはハタネズミを含む動物遺骸が多数発見され,一方で穴岩の穴では堆積物中から鬼界アカホヤ火山灰(約7,300年前)を検出するとともに,ほぼ同層準からハタネズミの臼歯が1点発見された.このことから,四国南部のハタネズミは後期更新世末から完新世初頭に激減して絶滅に至ったことが示唆され,その直接要因を解明するため齧歯類各種の過去の食性推定を行った.
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