変形性膝関節症の罹患者が高齢化とともに増加しており,早急な原因の究明と治療法の確立が求められている.本研究では,軟骨の応力による内部構造変化を解析することで,変形性膝関節症進行度の定量的評価を行うことを目的とした.ラマン分光法は物質に可視光を当てた際に発するラマン散乱を利用し,それをラマンシフトというスペクトルとして出力する方法である.実験では軟骨成分であるコラーゲン成分のピークが,圧縮前後で移動することを確認できた.また,変性処理の有無により,圧縮負荷をかける前後のラマンスペクトルを比較すると,ピークの位置変化に違いがあることが確認され,軟骨の変性状態を取得する可能性を示すことができた.
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