研究課題/領域番号 |
21K03749
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 康浩 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (00303917)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | メスバウアー分光 / X線カメラ |
研究実績の概要 |
世界的な半導体の供給不足のためX線カメラの納期が大幅に遅れ、カメラの実物を使った作業はほとんど行うことができなかった。そのため、2021年度の作業はカメラや試料の固定部分の設計、精度の検証方法の検討が中心となってしまった。 使用するγ線源の強度から計算すると、X線カメラに対して十分なγ線のカウント数を得るためには、数週間にわたってμm単位で試料とカメラの位置を維持する必要があり、床面からの振動の影響を避けるために既設の除震台上に設置する方針で設計を行った。また、カメラの分解能や位置確認のためのガイドとして、20μm径のタングステン線を十字に張ったスケールを作成した。上記の通り数週間にわたる測定となるため、このスケールを用いて気温変化によるステージ等の熱膨張による変化など、装置系の安定性を今後測定する。 X線カメラに対応した高速読み込み用のインターフェースやそれに対応したPCの導入は予算と納期の関係から2022年度に行う予定である。2021年度は既存のPCと低速で接続してカメラとして動作していることやγ線源からの放射線を正しく検出していることなどを確認した。カメラからある程度のノイズがあることは覚悟していたが、動作テスト時の様子を見ると私の事前予想よりもノイズが多いと感じた。ノイズを上回るだけの統計精度を得るために測定時間が申請時の予測よりも長くなる可能性があり、測定試料についても再検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
世界的な半導体の供給不足のため、X線カメラの納期が大幅に遅れ2月末となってしまった。また、2021年度に割り当てていた予算では高速読み込み用のインターフェースを備えたPCを購入することができなくなり、高速読み込みを使ったテストが2022年度へずれ込んだ。
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今後の研究の推進方策 |
X線カメラの導入が遅れたため、X線カメラの本格的な立ち上げを2022年度に行う。また、ノイズの影響で測定に予定以上の時間がかかる恐れがあるため、測定する試料についても目的とする鉄炭化物相が多い試料を選ぶ予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
X線カメラ購入費の調整の関係で2,000円の繰越金が発生した。この費用は2022年度に高速読み込み用のインターフェースを備えたPCの購入費の一部とする。
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