研究課題/領域番号 |
21K03754
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
有川 秀一 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40581781)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 相対変位場測定 / スペックル干渉法 / 外乱振動 / 性能評価 |
研究実績の概要 |
2023年度は提案する新しい干渉法の性能を詳細に評価した。具体的には外乱としての各方向への並進変位の影響、レーザースペックルサイズの影響、また床面から伝わる外乱振動の影響について調査した。その結果、並進変位の影響は特にレーザ光を拡大している方向への並進変位の許容量が従来法よりも大幅に改善していることが示された。またレーザースペックルサイズの影響は予想された通り、大きいほど許容変位量が大きくなる結果となった。床面から伝わる外乱振動の影響については、干渉計と測定対象が相対的に振動する状況を設定した。その方法としては測定対象を三脚上に取り付け、この三脚を床面に直接設置した。これに対して干渉計は除振台上に設置することで、確実に相対的な外乱振動が生じる状況を作った。また外乱振動の振動変位をレーザ変位計で測定し、相対的な外乱振動が実際にあることを確認した。この状況で露光時間を変えながら測定実験を行った。その結果、従来法では予想された通り露光時間が長くなるほど外乱振動の影響が大きくなり、干渉計測が不能となっていくのに対し、提案する干渉法では露光時間が長くなっても外乱振動の影響を受けず干渉計測が可能な状態を維持することを確認した。これにより提案手法の有効性を確認することができた。最終目標としていた移動可能な三脚上に設置した干渉計で物体の変形測定を実施することについては、未達成となったため2024年度に実施する見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
提案する干渉計は当初見込みどおり干渉系の調整が難しい状況がったが、これに予想以上に時間を要した。また性能評価を詳細に行ったことで当初見込み以上に提案手法の有効性を示すことができたが、これにより若干の遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の最終目標としていた移動可能な三脚上に設置した干渉計で物体の変形測定を実施することについては、2024年度に実施する見込みである。具体的には高荷重に対応する三脚上に500mm×500mm程度に収まる比較的コンパクトな干渉計を設計、製作する。これを用いて材料の引張試験による変形を、除振台を使用しない環境で実施する。この条件で干渉計測を実現できれば、提案手法の妥当性と有効性を示すことができる。
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次年度使用額が生じた理由 |
提案する干渉計は当初見込みどおり干渉系の調整が難しい状況がったが、これに予想以上に時間を要した。また性能評価を詳細に行ったことで当初見込み以上に提案手法の有効性を示すことができたが、これにより若干の遅れが生じた。そのため最終目標としていた移動可能な三脚上に設置した干渉計で物体の変形測定を実施することについては、未達成となったことから、これを実行する予算が未使用となった。また関係する成果の発表に要する予算も残った。次年度は移動可能な干渉計の構築及び関係成果の発表に繰り越し分の予算を使用する。
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