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2022 年度 実施状況報告書

折紙の数理によるコア構造の機械的特性の設計

研究課題

研究課題/領域番号 21K03755
研究機関明治大学

研究代表者

石田 祥子  明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40636502)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードコア構造 / 複合材 / Metamaterial / 塑性変形 / 折紙
研究実績の概要

ハニカムコアは軽量高剛性な構造として広く普及しており,ハニカムコアを用いて機械を設計する上で強度や剛性は特に重要な特性である.
■折紙の数理による新ハニカムコアの設計
折紙の数理を基に設計した,面外強度を向上させた新たなハニカムコアの面外強度以外の力学的特性を明らかにするため,新ハニカムコアを数値モデル化し有限要素解析を行った.新ハニカムコアには角筒セルが付加されているが,曲げ剛性にはほとんど影響せず,従来のハニカムコアと同等という結果が得られた.せん断剛性に関しては,角筒セルの形状が特殊な場合には従来のハニカムコアよりも剛性が向上し,それ以外の場合は同等という結果が得られた.また,従来ハニカムコアのせん断剛性の理論式(Gibson & Ashby, 1999年)を拡張し,新ハニカムコアの付加的な角筒セルを考慮した理論式を立式した.解析結果および理論式により,面外強度,せん断剛性,曲げ剛性はトレードオフの関係にないことが分かったため,総合的に判断して従来ハニカムと同等あるいはそれ以上の特性を持つと言える.さらに,汎用性の高い熱可塑性樹脂を用いて精度よく新ハニカムコアを製造するための成形条件を明らかにした.これらの結果は国内学会にて口頭発表を行った.
■円筒ハニカムコアのせん断剛性
折紙の数理に基づいて設計した円筒ハニカムコアのせん断剛性を検討するため,圧縮試験機の並進距離を回転距離に変換し,与えた変位とトルクの関係から円筒ハニカムコアのせん断剛性を算出するクランクスライダ機構を用いたせん断実験手法を構築した.従来ハニカムコアのせん断剛性の理論式を拡張した円筒ハニカムコアの理論式を立式し,さらに有限要素解析によりせん断剛性の解析値を求め,実験値,理論値,解析値の定性的な傾向が一致することを確認した.これらの結果は国内外の学会にて口頭発表を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理論,数値解析,実験の複数のアプローチを用いてコア構造の特性を検討しており,齟齬のない結果が得られている.2021年度に出願した特許やこれまでの学会発表の成果として,新ハニカムコアに関して民間企業から技術的問い合わせがあった.技術移転も視野に入れて研究を進めており,研究は順調であると言える.

今後の研究の推進方策

■折紙の数理による新ハニカムコアの設計
新ハニカムコアを試作し,せん断剛性と曲げ剛性の実験的評価を進めている.民間への技術移転も視野に入れ,金属材料での試作も検討する.
■円筒ハニカムコアのせん断剛性
円筒ハニカムコアのせん断実験を継続し,設計変数とせん断剛性との関係を明らかにする.

次年度使用額が生じた理由

3月の国内出張旅費において,予定額に対しわずかに支出額が少なかったため差額が生じた.2023年度の消耗品の購入に充てる.

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] 折紙によるハニカムコア設計と機械的特性2022

    • 著者名/発表者名
      石田祥子
    • 雑誌名

      日本試験機工業会技術情報誌TEST

      巻: 63 ページ: 3-6

  • [学会発表] 熱プレス成形による樹脂製生物模倣ハニカムコアの製作法2023

    • 著者名/発表者名
      冨岡由希,石田祥子
    • 学会等名
      日本機械学会関東学生会第62回学生員卒業研究発表講演会
  • [学会発表] 有限要素解析による生物を模倣した新形状ハニカムコアの横弾性係数評価2023

    • 著者名/発表者名
      羽山涼介,石田祥子
    • 学会等名
      日本応用数理学会 研究部会連合発表会
  • [学会発表] 円筒ハニカムコア構造のせん断実験手法の提案2023

    • 著者名/発表者名
      関澤光亮,石田祥子
    • 学会等名
      日本応用数理学会 研究部会連合発表会
  • [学会発表] 折紙の数理と機械工学2023

    • 著者名/発表者名
      石田祥子
    • 学会等名
      日本機械学会材料力学部門異分野融合研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 円筒ハニカムコアの面外圧潰解析2022

    • 著者名/発表者名
      石田祥子
    • 学会等名
      日本機械学会 第35回計算力学講演会
  • [学会発表] 切頂八面体を基にした多層コアパネルのエネルギ吸収特性2022

    • 著者名/発表者名
      岡安晃平,石田祥子
    • 学会等名
      日本応用数理学会2022年度年会
  • [学会発表] Out-of-plane stiffness and strength of bio-inspired honeycomb cores with extra hollows2022

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Ishida, Mudong Li, Kazuya Saito
    • 学会等名
      JSST2022 International Conference on Simulation Technology
    • 国際学会
  • [学会発表] Out-of-plane Strength of Cylindrical Honeycomb Cores: Application to Origami Tires2022

    • 著者名/発表者名
      Sachiko Ishida
    • 学会等名
      Asia Pacific Conference on Fracture and Strength
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 明治大学理工学部 石田祥子研究室ウェブサイト

    • URL

      http://www.isc.meiji.ac.jp/~sishida/home.html

  • [備考] 東京学芸大学附属高校で特別授業を実施~10/28日本経済新聞(高校生特別版)で掲載~

    • URL

      https://www.meiji.ac.jp/koho/news/2022/mkmht0000001vdal.html

  • [備考] 明治大学研究ブランディング事業「設計・折紙」

    • URL

      https://www.meiji.ac.jp/research/mathubiquitous/team03.html

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公開日: 2023-12-25  

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