■折紙の数理による新ハニカムコアの設計 折紙の数理を基に,カブトムシの鞘翅に見られる構造を模倣した新たなハニカムコアを設計した(2021年度).新ハニカムコアの面外強度が高いことが有限要素解析により確認できたため,意匠性,製造法および強度の観点から特許を出願した(2021年度).さらに,準静的圧潰実験および落錘実験により,コアサイズと面外強度,プラトー応力,エネルギ吸収量との関係を明らかにした(2023年度).試験条件にもよるが,一般的に利用されるコアサイズの範囲内において,新ハニカムコアでは従来のハニカムコアと同等あるいはそれよりも数十%良好な結果が得られた.本成果は学術論文(設計工学,Vol. 56,2024年)にて公開予定である.また,有限要素解析および準静的実験により,新ハニカムコアの曲げ剛性とせん断剛性は従来のハニカムコアのそれと同等という結果が得られた(2022年度,2023年度).面外強度,せん断剛性,曲げ剛性はトレードオフの関係にないことから総合的に判断して,新ハニカムコアの機械的特性は従来ハニカムコアのそれよりも高いと言える.これらの結果は国内学会(2023年度日本機械学会),国際学会(2024年度米国機械学会)にて口頭発表し,論文執筆の予定である.
■円筒ハニカムコアのせん断剛性 従来ハニカムコアのせん断剛性の理論式を拡張した理論的アプローチおよび有限要素法により,円筒ハニカムコアのせん断剛性と設計パラメータとの関係を明らかにした(2021年度).また,円筒ハニカムコアのせん断剛性を測定するため,クランクスライダ機構を用いたせん断実験手法を構築し,実験値,理論値,解析値の定性的な傾向が一致することを確認した(2022年度,2023年度).これらの結果は国内学会(2022年度日本応用数理学会,2023年度日本機械学会),国際学会(2024年度米国機械学会)にて口頭発表し,論文執筆の予定である.
|