FRPは軽量でありながら高強度・高剛性であり,耐食性にも優れることから,構造体のさらなる軽量化が求められる輸送機器分野において利用が拡大している.近年,高品質のFRPを低コストで製造する成形法としてRTM成形法が注目されているが,成形型内での樹脂流れのコントロールが難しいという問題ある.本研究では,RTM成形型の一部に高強度の超音波振動を付与することで繊維束への樹脂含浸を促進し,樹脂流れをコントロールする手法を示した.また,成形過程における適切な超音波振動の付与により,成形品の機械特性が向上することを見出した.これらは,FRP製品の品質改善に寄与する研究成果であり,社会的意義が大きい.
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