耐熱構造材料では,熱伝導率の低減が内部熱応力を上昇させて損傷の加速や寿命低下を引き起こすため“高い熱伝導率”により“熱応力を抑制”することが善とされてきた. 本研究では,一般的にトレードオフの関係にある低熱伝導率化と内部熱応力の抑制の両立が可能かという命題に対して,遮熱コーティングを事例として,遮熱層を柱状YbTa3O9とYSZ層の複合柱状組織を有する遮熱コーティングを開発し,その遮熱性・耐久性を検討した.その結果,柱状複合組織により低熱伝導性と熱応力抑制の両立が可能であることを実証し,開発コーティングが従来材を凌駕する特性を有することを実験的に明らかにした.
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