高伸び率を有する板材の極限荷重は塑性座屈荷重に対応せず,塑性座屈後に生じ,その値は塑性座屈荷重を大きく上回ることが報告されていて,代表的な設計基準として知られているEurocode3では不十分であることが知られている.そのような背景から,Eurocode3の代替方法として連続強度設計法などによる極限荷重の評価法に関する研究が盛んに行われている.しかし,部材崩壊メカニズムの把握,その現象に合わせた合理的な解釈,その解釈に基づく極限荷重の評価は行われていないのが現状である.本研究で得られた合理的な成果は,薄肉部材に対する正しい知識を深化させ得るため,学術的にも社会的にも大きく貢献し得る.
|