研究課題/領域番号 |
21K03773
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
境 英一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (70581289)
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研究分担者 |
きゅう 建輝 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40244511)
張 国宏 秋田県立大学, システム科学技術学部, 特任助教 (20866868)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マイクロプラスチック / バイオプラスチック / バイオコンポジット |
研究実績の概要 |
本研究では,バイオプラスチック由来のものを含むマイクロプラスチックの簡易な検出・分析法として,構成成分の割合や変性に敏感に反応して変化する熱重量分析(TGA)による新しい手法を開発し,それを基に環境負荷の低いバイオプラスチック複合材料の設計指針を提案することを目的とする.2021年度はモデル試料による土壌中マイクロプラスチック分析法の開発を目標とし,2022年度はそれを基に,マイクロ“バイオ”プラスチックの検出法確立と生分解性評価へと展開する.最終年度である2023年度では,ここまでで開発した手法を基にしてバイオプラスチック複合材料の新しい設計指針を提案する. 本年度は,モデル試料による土壌中マイクロプラスチック分析法の開発を目標として,モデルマイクロプラスチック粉末を1~20wt%の濃度で添加してモデル試料とし,実験を行った.マイクロプラスチックは市販のペレットとフィルム(PE,PET,PP,Bio PBS,PLA)をドライアイスと共に粉砕機に投入することで粒径100μm以下に粉砕したものとし,提案法による定性・定量分析を行った. 結果として,スパイク土壌からブランク土壌のTMLを差し引いたピークは,マイクロプラスチックの種類と添加量に依存しているため,マイクロプラスチックを識別が可能であることが確認できた.また,検量線から検出限界を導出することができた.また,決定関数からPETについては妥当な検量線を得られ,その検量線とTMLの値からおおよその含有量が推定でき,定量分析の可能性が示唆された.さらに,DTG曲線のピーク面積から含有量を求めることもできた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた内容については着手できており,結果についても推定通りの内容が得られている.しかし,多変量解析についてはもう少し検討が必要であり,次年度も継続して検討していく.一方で次年度に予定していたマイクロバイオプラスチックの検討も始めていることから,研究全体としてはおおむね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,マイクロ“バイオ”プラスチックの検出法確立と生分解性評価への展開を目標とする.前年度に開発した分析法を,バイオプラスチックを対象に実施する.バイオプラスチックには市販のペレットを凍結粉砕したものを用いる.前年度同様の試験に供し,検出・分析法の確立とマイクロ“バイオ”プラスチックの存在の検証を試みる.さらに,モデル試料を容器に入れ,温度と湿度をコントロールしながら市販酵素を投入し,生分解を進行させる.この時,任意の時間で試料を採取し,確立した分析法に供することで,マイクロ“バイオ”プラスチックの生分解状況を調べる.この結果をJIS基準に基づいて測定した生分解度と比較して検量線を作成することで,TGA法の生分解評価法としての展開を図る.
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