研究課題/領域番号 |
21K03773
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
境 英一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (70581289)
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研究分担者 |
きゅう 建輝 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40244511)
張 国宏 秋田県立大学, システム科学技術学部, 特任助教 (20866868) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マイクロプラスチック / バイオプラスチック / バイオコンポジット |
研究実績の概要 |
マイクロプラスチック(MPs)を任意の割合で赤玉土に混合したスパイク土壌の熱重量分析(TGA)曲線からMPsが検出できることが分かった.10℃間隔の重量変化を示すTMLピーク値の差スペクトルから得られた近似線と決定関数の値から,いずれのスパイク土壌について妥当な近似線を得られた.その近似線から算出したLODの値より,TMLの差スペクトルが少量のMPの検出において非常に有効な方法であることが示唆された.さらに,熱分解挙動を示すTGA曲線を時間微分し、波形分離により構成成分の定量分析を図るDTG法により,赤玉土中のMPsの含有量を高精度に分析することができた. 次に,熱分解温度の近いPEとPPを混合したスパイク土壌のTMLピークを結晶融解ピークから分析した.PE/PP由来スパイク土壌のDTA曲線より,PEは110°C付近,PPは170°C付近に融解ピークが存在し,それぞれのピークが確認できた.加えて,融点ピークはモデルMPの種類と添加量に依存していることから,定性分析が可能であることが確認できた.さらに,モデルMP添加量とDTAピークの面積の関係から検量線を作成し,PE/PP由来スパイク土壌の融解ピーク面積と比較することで定量分析ができた. さらに,バイオプラスチックについても提案法での識別が可能であることが確認できた.また,検量線から検出限界を導出することができた.また,DTG曲線のピーク面積から定量分析も可能となった.この結果を土壌中での生分解性評価と関連付けた結果,初期の分解挙動をある程度捉えることができた.これについては長時間の評価が必要となるため、今後も実施予定であるが、環境負荷の低いバイオプラスチック複合材料の設計指針の基礎的知見になると言える.
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