アコースティックエミッション(AE)法で鋼製構造物の腐食をモニタリングする場合では、腐食進展量の定量評価が難しい課題がある。これは、AE信号の「発生頻度」というパラメータの大小と腐食進展量に直接的な関連性が無いことが原因である。一方で本研究で着目したAE波のモードの強度は、AE発生源となる錆の割れに起因するパラメータであり、AE発生位置、すなわち腐食減肉量と関連するパラメータである。そこで,本手法を用いることで腐食減肉量を定量的に評価できる可能性を示し、AE法による腐食モニタリング技術を通じて社会インフラの安全性の向上に寄与できると考えられる。
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