短繊維GFRPの引張試験を行った結果,繊維が負荷方向と平行に配向した材料の方が,直交方向に配向した材料よりも高い引張強さを示した.しかし,マイクロメカニックスを用いて樹脂相応力で比較した結果,両者の破断時の応力は等しいことがわかった.疲労試験でも同様の結果が得られたが,樹脂相応力で比較すると,両者はほぼ同じ寿命を示すことがわかった.これらの結果から,短繊維GFRPの静的強度・疲労強度は樹脂相応力に支配される可能性が示され,高輝度放射光を用いれば,1mm四方以下の微小領域の樹脂相応力を測定出来るので,複雑な形状および繊維配向を有する実際の製品の寿命予測が出来ることを示した.
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