全体の研究開発において焼結型金属三次元造形、特にFFF方式による低コスト造形装置を利用しての、チタン、チタン合金のAM技術の開発した。 特に最終年度においては、初年度において開発したチタン系フィラメント、およびその後改良したフィラメントをさらに、高強度、高弾性化したフィラメントを利用して、試験片造形を行った。 次に、次年度において開発した耐酸素分圧脱脂、焼結炉を利用してのチタン系合金の脱脂・焼結をおこなった。脱脂焼結炉は、マグネシウムによる水分除去フィルター、初年度で導入した低酸素分圧発生装置を組み合わせて焼結炉を構成し、超低酸素分圧下での加熱脱脂。焼結を行った。構成した炉において加熱実験を行ったところ、水分除去フィルターのみで10-19atm、さらに低酸素分圧発生装置を用いることにより10-26atmの低酸素分圧の不活性雰囲気を発生できた。ちなみに、Tiは1150℃では10-22atm以下で還元が可能となる。 これらの成形装置、脱脂焼結炉による、試験片造形を行い、Ti6Al4V合金の評価用試験片の造形を試みた。試験片作成はクオリティ向上の目的で1150℃という相対的に低温の焼結温度としたが、4時間の焼結時間で92%の相対密度の達成が可能であった。また、引張強度も800MPaレベルの強度を得ることが可能であった。一方、FFF方式の造形による造形装置は樹脂用に最適化されており、造形品質の向上にはスライシングソフトウエアの改良、造形温度管理の最適化などが必要になってくることも確認された。現状の造形においてこれらの限界から、積層界面での欠陥が入りやすく、造形形状に品質、強度が大きく影響することも確認した。
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