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2023 年度 実績報告書

材料の流動性を考慮したEBポリッシングメカニズムの解明による高能率表面仕上げ

研究課題

研究課題/領域番号 21K03807
研究機関岡山大学

研究代表者

篠永 東吾  岡山大学, 環境生命自然科学学域, 助教 (60748507)

研究分担者 岡本 康寛  岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (40304331)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード大面積電子ビーム / EBポリッシング / 表面平滑化 / 表面粗さ / 熱流体解析 / 溶融金属 / 表面張力 / 微細凹凸形状
研究実績の概要

令和5年度に計画していたEBポリッシングによる金属の高能率表面平滑化を試みた.チタン合金の表面にボールエンドミルにより切削溝を複数本形成し,切込み深さおよび隣接する切削溝の重ね量により,約10μmRzの表面粗さを有する微細凹凸形状を作成した.次に,試料上方より大面積電子ビーム照射を行った.その結果,電子ビーム1shot照射時の表面形状および再凝固層厚さは,熱流体解析により算出した結果と高精度に一致することが明らかになった.また,適切なエネルギー密度で電子ビームを照射することで,照射回数わずか10shots程度(時間にして数分)で表面粗さを1μmRz程度まで低減することができ,EBポリッシングによって高能率な表面平滑化が可能であることが示された.
また,微細凹凸形状の初期表面粗さが一定の場合,凹凸平均間隔が小さい程,EBポリッシングにより得られる平滑化効果が向上することが実験的に明らかになった.微細凹凸形状の凹凸平均間隔がEBポリッシングに及ぼす効果のメカニズムについて議論するため熱流体解析を行った結果,微細形状凸部での熱拡散のしにくさなどに起因して微細形状の凸部と斜面の温度差に違いが生じることが明らかになった.温度差は表面張力に影響を及ぼし,表面張力は溶融金属の流動に影響を及ぼすため,凹凸平均間隔が小さな表面形状とすることでEBポリッシング効果が向上したと考えられる.
一方で,EBポリッシングによる表面平滑化だけでなく,電子ビーム照射時のエッジ部形状変化メカニズムの解明についても検討した.その結果,電子ビーム照射により直方体形状のエッジ部が丸みを帯びる過程について明らかにすることができた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Surface smoothing of additively manufactured Ti-6Al-4V alloy by combination of grit blasting and large-area electron beam irradiation2023

    • 著者名/発表者名
      Shinonaga Togo、Kobayashi Hiroya、Okada Akira、Tsuji Toshiya
    • 雑誌名

      The International Journal of Advanced Manufacturing Technology

      巻: 127 ページ: 5127~5137

    • DOI

      10.1007/s00170-023-11857-5

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 大面積パルス電子ビーム照射による金属AM造形物の表面平滑化2024

    • 著者名/発表者名
      篠永東吾
    • 学会等名
      日本金属学会・日本鉄鋼協会 中国四国支部 第55回「若手フォーラム」
    • 招待講演
  • [学会発表] 大面積電子ビーム照射による表面平滑化技術について2024

    • 著者名/発表者名
      篠永東吾
    • 学会等名
      砥粒加工学会 次世代固定砥粒加工プロセス専門委員会 第114回研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 大面積電子ビーム照射による金属AM造形物のめっき皮膜欠陥抑制2023

    • 著者名/発表者名
      篠永東吾,松田悠生,岡田晃
    • 学会等名
      電気加工学会全国大会(2023)

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公開日: 2024-12-25  

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