研究課題/領域番号 |
21K03815
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
安井 学 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 電子技術部, 主任研究員 (80426361)
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研究分担者 |
伊藤 寛明 近畿大学, 工学部, 准教授 (70534981)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | SU8 / アッシング / フッ素 / フッ素樹脂 / 微粒子 |
研究実績の概要 |
本年度の研究目的は,アッシング後のSU8表面に残留する微粒子とSU8パターンの除去である。SU8に含まれるアンチモンがフッ素と反応し揮発することに着目し,フッ素を添加したアッシングにより,SU8ナノパターンと微粒子の除去を試した。フッ素の発生源にフッ素樹脂を使用した。評価サンプルは,リソグラフィ後のSU8パターン,アッシングのみのSU8パターン,フッ素樹脂を追加してアッシングしたSU8パターン,更にフッ素樹脂の個数を追加してアッシングしたSU8パターンの4種類である。 各処理済みサンプルに対して,段差計を用いたエッチング深さの測定,AFMを用いたエッチング表面の形状測定,SEM-EDSを用いたSEM観察とEDS分析を実施した。 結果として,アッシングのみに比べてフッ素樹脂を追加したエッチング深さは10倍以上であった。また,AFMによる各サンプルの表面粗さを測定結果した結果,アッシング単体よりフッ素樹脂を追加したアッシングの方で表面粗さが大きかった。そして,EDS分析では,微粒子から推定していたアンチモンが検出されなかったため,微量分析を得意とするFE-EPMAで微量分析を行った。その結果,微粒子から軽金属と炭素が検出された。プラズマ照射前のSU8から軽金属を検出した先行研究があり,本結果もその一例と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナによる出張抑制により,“高温接触角測定を用いたアルミに対する離型性においてSiCに対するNi-Wめっき膜の優位性の検証”は未実施であり,次年度以降に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
W基板上のSU8ナノパターンの描画条件を詰めた後,昨年度の研究成果である“PFAを配置したアッシングによるSU8の除去”技術を用いて,たNi-Wナノ金型を開発する。そして,研究分担者にSU8の粘弾性の測定とSU8の熱ナノインプリント条件の数値解析を実施してもらう。その結果を踏まえ,Al/SU8/ガラスの積層構造の熱ナノインプリントを実施する。 なお,新型コロナ等の影響を受けなければ,予定通りに(地独)大阪産業技術研究所にある加熱ステージ付きナノインデンターを借用し,蒸着したアルミ薄膜も同様に加熱温度に対する硬さとヤング率の変化を得て,積層構造の熱ナノインプリントの条件検討に反映させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナによる出張抑制などにより,出張や装置借用ができなかったため、該当事項を今年度以降に実施する予定である
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