研究課題/領域番号 |
21K03821
|
研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
何 建梅 工学院大学, 工学部, 教授 (60358728)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 医療用メッシュステント / 生体親和性 / 高強度 / 生体管腔支持性能 / 高柔軟性 / 設計解析評価 / 疲労実験評価 |
研究実績の概要 |
(1)医療用ステントデバイスの高性能化を図るため,高い柔軟性と高強度な特性を有するメッシュ構造の適用に関するこれまでの先行研究で行ってきた設計検討に基づき,総合的な観点から,メッシュ基本形状のタイプ,メッシュ線幅と腕弯曲度などの異なる設計変数を有するメッシュ構造を応用したメッシュステントモデルの表面空洞率と,生体管腔内支持性能を表す圧縮特性と,曲げ柔軟性に対する解析評価を行い,各種設計変数による影響を把握した. (2)医療用ステントデバイスに適応するメッシュ構造の耐荷重性能と疲労強度を把握するため,生体親和性の高い純チタン一種材料でレーザー加工法によってメッシュ構造を用いたメッシュプレート試験片の試作を実施した.これらの試作試験片を用いてメッシュ構造の疲労限を把握する予定である. (3)実験計画法(Design of Experiments: DOE)と直接最適化手法に基づいたメッシュステントモデルの最適化設計検討につて試みた.3次元CADソフトによるメッシュステントモデルの表面積空洞率をスクリーニングし,表面積空洞率が医療用ステントデバイスの性能要求の70%~90%の制約条件に基づき,メッシュステントモデルの柔軟性を向上させるために有限要素解析評価によるメッシュステントモデルの圧縮剛性を押さえ,Ansys DesignXplorerの直接最適化手法で得られたメッシュステントモデルの種々の設計変数における反力(曲げ剛性関連)の満足と最大相当応力の最小化を図った. (4)日本設計工学会2021年度春季大会研究発表講演会に「メッシュ構造を応用した医療用メッシュステントの設計検討(Design study on medical meshed stents as applied with mesh structures)」のタイトルで研究成果の公開発表を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度の研究計画は以下の通りであったため,概ね当初の計画通り進んでいる。 (1)異なる設計変数を有するメッシュ構造を応用したメッシュステントモデルの表面空洞率と生体管腔内支持性能を表す圧縮特性に対する解析評価 (2)3次元レーザー加工法による試作メッシュステント試験片の実験評価 (3)研究成果をまとめて学会発表や論文投稿などで公開する.
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度では、下記の研究計画によって進める。 (1) 試作メッシュステントの実験実施とそれに対するモデル解析評価手法の高度化検討:試作メッシュステント試験片の実験評価と行い,またそれに対するモデル解析評価との比較で,異なる設計変数によるメッシュステントモデルの圧縮特性や疲労耐久性を評価 する解析手法の高精度化検討を行う. (2) 形状最適化手法によるメッシュステントモデルの最適化検討:高精度化を図ったメッシュステントモデルの圧縮特性や疲労耐久性を評価する解析手法に基づき,各種設計変数の適応範囲で形状最適化手法によるメッシュステントモデルの強度や圧縮剛性などの最大化検討を行い,冠動脈や胆道,食道,脳血管等の様々な生体管腔に応用できるメッシュステントの最適構造様式の確定を進める. (3) 継続的に研究成果をまとめて学会発表や論文投稿などで公開する.
|
次年度使用額が生じた理由 |
主にコロナの原因で国内学会と国際学会への成果発表を実現できなかった旅費の部分として生じた。 それによった未発表研究成果を次年度の国内学会および国際学会での公開発表に実現するための旅費として使用したい。
|