研究課題/領域番号 |
21K03822
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
篠田 淳一 明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 研究推進員 (60266880)
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研究分担者 |
ディアゴ ルイス・アリエル 明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 研究推進員 (20467020)
萩原 一郎 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員(客員研究員) (50282843)
楊 陽 明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 研究推進員 (90838260)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 切り紙ハニカム / 折り紙ロボット / 折り紙設計システム / 木構造 / 折り紙展開図 / 積層型プリンター |
研究実績の概要 |
従来の折紙ロボットの開発は人間の折る挙動を真似るもので、さながらセンサーや機構の高度化の競演の様相を呈し袋小路に入った感がある。一方、代表者らは、折紙ロボットの実現が困難の要因は、折り紙の展開図の木構造はいずれも閉ループを有すためであることを示した。閉じた木構造から開の木構造の展開図に変換できれば比較的簡単な機構やセンサーを有す安価な折紙ロボットができるという考えからまず蛇腹折タイプの折紙ロボットを実現させ、開発したロボットは、糊付け可能な世界初のロボットという理由で米国機械学会の大学院の部で三等賞を得た。そのロボットをベースに更に任意の方向に折れるよう機能向上させた。これに合わせて、分担研究者らが有す特許(展開図作成装置、展開図の作成方法、およびプログラム、特許6529025号)をベースに展開図を自動的に閉じた木構造から開の木構造へ、糊付け線の延長が本体に交わらないよう自動修正のアルゴリズムを得た。更に、高強度の材料を対象にすべく切り紙の要素を取り入れることによりダンボール材まで可能とした。ここで切紙ハニカムはメタマテリアルの宝庫として、折紙工学の最もホットなテーマの一つであり、既に英米に二大拠点ができている。その課題として、非凸曲面があると連続な切紙ハニカムは得られないという課題があったが、本研究でその課題の解決が得られ、二大拠点での課題である、一様ハニカムの柱の上下面上の変数の多価関数の複雑構造の再構成ができないというこれまでの課題も解決した。これにより折紙設計を「折紙式3Dプリンター」と称されるレベルに引き上げることに一歩近づいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
まず、紙ベースの折り紙ロボットの開発を行った。更に、高強度の材料を対象にすべく切り紙の要素を取り入れることによりダンボール材まで可能とした。ここで切り紙ハニカムはメタマテリアルの宝庫として、折紙工学の最もホットなテーマの一つであり、既に英米に二大拠点ができている。その課題として、非凸曲面があると連続な切り紙ハニカムは得られないという課題があったが、本研究でその課題の解決が得られ、二大拠点での課題である、一様ハニカムの柱の上下面上の変数の多価関数の再構成ができないという課題も解決している。
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今後の研究の推進方策 |
紙ベースの折り紙ロボットは、切紙ハニカムを用いることによりダンボール材まで適用範囲を広げた。更に、折紙工法も取り入れることにより鋼鈑まで可能とする。切り線を入れずに対応できる折紙ロボットの開発を行う。これにより、折紙式プリンターが積層型プリンターに製造費の点、製造物の大きさの自由度において優れることを示してゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
切紙ハニカムという新しい項目まで研究範囲を広げることができた。これより試作として当初考えていた折紙構造から切紙構造に変更したが、材料費が思っていたより安価であり、その分繰越となった。次年度の折紙モデルや切紙モデル作成のための材料費として使用する。
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