研究実績の概要 |
前年度に引き続き,ロバストガウシャンフィルタの実装方法について検討を行った.具体的には,刈り込み型,フーバー型,バイスクエア型の3つの重み因子について,計算の繰り返し数とフィルタ出力波形の関係を検討し,刈り込み型が収束までの繰り返し数が少ないうえ,バイスクエア型と出力波形に大差が無いことがわかった.フーバー型については,他の2つと出力が若干異なることがわかった.これは,フーバー型では外れ値の値を完全に無視する訳ではないことが原因である. さらに,それらの重み関数のチューニングパラメータが表面性状パラメータに与える影響を検討した.表面性状パラメータとして,算術平均粗さRa, 最大高さ粗さRz, 二乗平均平方根粗さRq,突出山部高さRpk,コア部のレベル差Rk,突出谷部深さRvkを検討した.フィルタとしてはロバストガウシャンフィルタの他に一般的に用いられているガウシャンフィルタも適用した.結果として,チューニングパラメータやフィルタの種類の影響が明瞭に表れるのはいわゆるプラトー構造表面の突出山部高さRpkのみであり,ロバストガウシャンフィルタを用いた場合,Rpkの値がガウシャンフィルタの場合よりも50%程度小さくなった.重み因子の種類としては,刈り込み型とバイスクエア型が外れ値に対するロバスト生が高いという結果が得られた.また,刈り込み型とバイスクエア型ではフィルタ出力波形の差異が小さかった. これらの結果より,重み因子として刈り込み型を用いることが望ましいと考えられる.
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