研究課題/領域番号 |
21K03829
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所 |
研究代表者 |
柴田 圭 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, リスク管理研究グループ, 任期付研究員 (60612398)
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研究分担者 |
大西 明宏 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, リスク管理研究グループ, 上席研究員 (10467491)
山口 健 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50332515)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 氷上摩擦 / 濡れ / 乾燥 / 耐滑 |
研究実績の概要 |
硬質繊維としてアラミド繊維及びガラス繊維を,樹脂繊維(軟質)として超高分子量ポリエチレン繊維を用いてベース材料とし、乾燥氷面での摩擦係数向上を期待して、硬質繊維上にゴムドットを配置した試験片を開発した。これらを靴底に張り付け、室温制御下において氷面上に対する摩擦試験を行った。摩擦試験装置として、研究分担先現有の手押し式の床/靴摩擦係係数測定装置を使用した。すべり速度は、人間の転倒時の足の動きの速さといわれる1 m/sまで手押しで実現した。垂直荷重は、ほぼ負荷されない靴の自重程度の5 Nと、氷が破損しない程度の200 Nとした。固体氷上の水分量の同定が困難であるため、保存用冷凍庫から恒温室に移動させ放置する時間を統一することで水分量を同一と見なした。氷点下15度以下で24時間以上保管した氷ブロックを、氷点下5~3度に調整した恒温室に2時間放置して乾燥氷面とした。同条件では視覚及び指の触覚的に水分は感知されなかった。また,氷表面温度は室温と同程度であった。氷点下15度以下で24時間以上保管した氷ブロックを、7~10度に調整した恒温室に2時間放置して湿潤氷面とした。同条件では視覚及び指の触覚的に水分は十分に感知された。また,氷表面温度は0度付近であった。比較材料として、市販の氷用耐滑サイプ形状ゴムブロックのオーバーシューを用いた。その結果、室温氷点下以下の乾燥氷面では、市販オーバーシューが最も静摩擦係数・動摩擦係数ともに高い値を示した。室温がプラス温度の湿潤氷面では、硬質繊維試験片が市販オーバーシューに比べ高い静摩擦係数・動摩擦係数の値を示した。また、静摩擦係数・動摩擦係数ともに、乾燥氷面ではゴムドットの面積率の増加に伴い摩擦係数は増加し、湿潤氷面ではゴムドットの面積率の増加に伴い減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画内の実験の進捗は順調であったが、得られた摩擦係数が想定より低い値となり、さらに耐滑性を有する材料を選定を行う必要が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、当該年度で得られた摩擦係数を超えると考えられる材料を選定を行い、同様の摩擦試験を行う。具体的には、繊維系の材料をベースに、硬質材料が複合化された材料に着目し研究を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に購入を予定していた測定機器はメーカー専売品であり,また,当該年度に機器のバージョンアップが予定されたため、次年度での購入へと変更した。機器のバージョンアップにより、これまでよりも操作性の向上とデータの高速取得化が見込まれ、当該研究の推進に寄与するものと考えられる。
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