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2021 年度 実施状況報告書

高周波脈動流中の気液界面から飛散分裂する液滴群の挙動の統計評価とモデリング

研究課題

研究課題/領域番号 21K03858
研究機関広島大学

研究代表者

尾形 陽一  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (10323792)

研究分担者 西田 恵哉  広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 特任教授 (90156076)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード気液二相流 / 流体不安定性 / 微粒化
研究実績の概要

今年度の研究計画である,一様な気流場における液相との相互作用による飛散・分裂発生機構と粒径の統計評価を明らかにするため,風洞から生成される断面内一様定常気流,および風洞下流に接続された穴あき回転円盤を用いた脈動流発生装置を通過する,時間変動脈動気流を,液膜が流れる正方形断面直管内に流し,液膜飛散分裂挙動の観察と評価を行った.
気液界面上の流体力学不安定性で成長する水波が気流と相互作用し,気流中の単一液滴の代表的な飛散形態の一つであるBag-Breakup(以降,Bag分裂)と類似した現象が生じるが,特に液滴群の評価の為に今年度はこのBag分裂に着目した.定常流の気相速度は25-35m/s.脈動気流は1周期平均気相速度0-40m/sとした.
定常気流において単一液滴Bag分裂では薄膜破裂から生じる微細液滴と,破裂後に残るRimの分裂から生じる比較的大きい粒径が生じるが,液膜からでも同様の現象が生じ,流速の増加に伴い分裂後の平均液滴粒径は小さくなる.本条件ではどの気流速度でも0.5mm程の液滴径にピークを持ち,1mm以下の液滴が全体の90%近くを占めるが,2mm程度までの大粒径まで裾野が有る様な粒径分布となった.脈動気流では,定常気流でBag分裂が生成する閾値気流速度より脈動中の最大気流速度が大きく,脈動周期時間が気液界面成長の流体力学的時間スケールと同程度になると,定常気流より波の成長が促進され大粒径粒子の生成に繋がる結果となり,脈動気流特有の現象を示唆している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の目的の一つである,脈動気流に特有な液膜飛散現象の統計評価・モデリング構築に繋がる,直管での液滴粒径分布および分裂発生メカニズム等の基本情報は得られたが,気液界面の拡大撮影,バラつきの統計評価までには至らず,異なる平均気相流速(レイノルズ数)・気相脈動周波数(ストローハル数)条件に対応可能な実験装置の改良も必要である.
現時点ではやや遅れていると判断しているが,多量の実験・画像データ解析効率化に向けてPythonベースの機械学習の基本的な勉強を進めてきた.次年度の研究加速に向けて環境整備などの充実・適用を更に進めていく.

今後の研究の推進方策

非定常変動気流および異なる形状の流路における液滴発生・飛散分裂発生機構の詳細解明、および発生確率密度関数を明確にする.液相からの飛散・分裂現象の全体像撮影と併せて,拡大撮影も行い,気流周波数のストローハル数および曲率半径依存性のディーン数も評価基準に入れて,更に汎用的なモデル構築の基礎データを取得する.燃料噴霧でも見られる様な粒径分布形状が得られたが,log-normal分布関数等の最適フィッティングも進めていく必要がある.次年度以降,計測・画像解析結果を基に構築された発生条件に整合する数値モデル構築の着手,および機械学習も用いた画像解析に基づく平均粒径・バラつきの統計評価を進めていく.

次年度使用額が生じた理由

主に実験の進捗・解析および今年度計上していた計測装置の選定の遅延,学会参加費等の削減が理由であるが,今年度は現有装置・ワークステーションを用いて進められる研究課題が多々有ったことと,次年度にずれ込んだ計測に必要な装置,実験設備改良の費用,論文・学会などにも予算を確保する必要が生じたため.国内外学会発表及び論文投稿等の研究成果発表,材料などの消耗品,追加工等の発注と併せて,必要な計測設備備品への使用を主に計画している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 矩形管内の定常・脈動気流を受ける液膜飛散分裂挙動の研究2022

    • 著者名/発表者名
      丸岡 朋貴, 謝哲也, 西田 恵哉, 川口 幹祐, 長野 祥江, 幸徳 正信, 中島聖, 尾形 陽一
    • 学会等名
      日本機械学会 中国四国支部 第60期総会

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公開日: 2022-12-28  

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