研究課題/領域番号 |
21K03874
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
横山 博史 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60581428)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 二酸化炭素回収 / キャビティ流れ / 熱音響 / 吸着 / 空力音 / 流体解析 |
研究実績の概要 |
本研究では工場などの排熱を利用し熱音響エンジンを駆動し、音波によってCO2固体吸着材を有するフィルタ周囲の流体混合および吸着を促進する高効率なCO2回収技術を提案する。スピーカを用いた音響加振により、吸着促進を引き起こす加振条件および促進メカニズムを明らかにする。次に、フィルタ上流部にスタックを有する溝部 (キャビティ) を設け、排熱を模したヒータによりスタック端部間に温度差を与え、吸着促進に効果的な音響加振を熱音響エンジンにより駆動する。 本年度は,CO2の吸着材であるゼオライトを担持させたハニカムフィルターを設置した管内に対し,CO2とN2の混合気体を流し,フィルタ前後のCO2濃度より吸着速度を評価するための実験装置を構築し,実験を実施した.気体の速度を変化させた実験では,気体の速度を大きくすることで吸着速度が増加する結果となった.スピーカによる音響加振を行い,管内に音響共鳴を生じさせ,比較的強い音場が形成される場合にはCO2吸着速度が増加する結果が得られた.今後,実験の再現性やフィルタ設置位置の影響について調査していく予定である. キャビティ内に平板列型およびハニカム型のスタックを設置した際のキャビティ流れの発生音,速度場の計測を実施し,熱音響現象が効果的に発生するスタック設置位置を明らかにした.さらに圧縮性流体解析と熱伝導解析を連成させた解析により,熱音響現象発生時の流れ場,音場さらにエネルギーの流れについて明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたCO2吸着促進に効果的な音響加振条件を一定程度明らかにするとともに,音波の生成方法として提案したキャビティ流れと熱音響現象を組み合わせた手法についても効果的な条件が明らかになりつつあるため.以上より,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
CO2吸着促進に効果的な音響加振条件について,前年度得られた結果を基に,さらに圧力振幅やフィルタ設置位置を主なパラメータとして広く変化させ,より効果的な条件を明らかにする.さらに,吸着促進に必要となる強い音波の発生方法を確立するため,温度勾配を有するスタックをキャビティ流れに設置させ,熱音響エンジンの効果によりキャビティ流れの自励振動による音の発生を強めることができるか検討する.具体的には,スタックの温度勾配がキャビティ流れや発生音に及ぼす影響について明らかにしていく予定である.
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