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2022 年度 実施状況報告書

爆発飛散物の危険度評価に資する流体連成6自由度軌道シミュレーターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K03880
研究機関富山県立大学

研究代表者

坂村 芳孝  富山県立大学, 工学部, 教授 (00264680)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード数値流体力学 / 飛散物 / 衝撃波 / 圧縮性流れ / 6自由度運動 / OpenFOAM / 重合格子
研究実績の概要

本研究は,剛体の6自由度運動方程式と流体運動の支配方程式とを連成して解析する数値シミュレーターを開発し,爆発によって生じる飛散物の危険度評価に資するツールを提案することを最終的な目的とするものである.令和4年度に実施した主な研究は,以下に示す通りである.
(1) 昨年度の研究で有効性が確かめられた数値シミュレーターを用い,衝撃波管内を伝播する衝撃波との衝突によって誘起される直方体形状物体の運動を予測した.管路幅を変えて行ったシミュレーションによって,管路幅の違いが物体の運動に及ぼす効果(閉塞効果)を調べた.その結果,従来の実験で用いられた管路幅30 mmの衝撃波管内では,物体に作用する抗力(流体力の流れ方向成分)が閉塞効果を強く受けていることを示すことができ,その流体力学的要因を明らかにすることができた.本成果は,爆発飛散物の運動に及ぼす周囲環境の重要性を示すものであり,閉鎖された空間内における飛散物の危険度評価に資するものとなった.
(2) 爆発によって生じる強い衝撃波を伴う流れ場に対するOpenFOAMの有効性を調査するため,反応性気体を対象としたソルバー(hy2Foam)を用いた数値シミュレーションを試みた.その結果,大気圏再突入時の極超音速流れのように極めて強い衝撃波を伴う場合においてもOpenFOAMが利用できることが明らかになった.ただし,よどみ点近傍において壁面近傍の物理量の分布が不自然になる場合があり,その原因を明らかにする必要がある.
以上の成果については,国内の学術講演会等で発表・公表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

数値シミュレーターの開発は概ね順調に進んでいるものの,人員不足により衝撃波管を用いた可視化実験が遅れている.

今後の研究の推進方策

遅れている可視化実験を進めるとともに,今年度得られた成果を国際会議等で発表し,他の研究者と議論を重ねていく.また,開発した数値シミュレーターの公開のための準備も進める.

次年度使用額が生じた理由

発注した製品の納品が遅れ,年度内に納品されなかったため執行できなかった.新年度になり製品は無事納入されたため,速やかに執行する予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] 衝撃波管内における物体の運動に及ぼす閉塞効果2023

    • 著者名/発表者名
      坂村芳孝
    • 学会等名
      日本機械学会北陸信越支部2023年合同講演会
  • [学会発表] Numerical Study of Blockage Effects on Shock-Induced Motion of a Solid Body in a Shock Tube2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshitaka Sakamura
    • 学会等名
      The 34th International Symposium on Shock Waves
    • 国際学会
  • [学会発表] OpenFOAMを用いた大気圏再突入機周りの極超音速流れの数値シミュレーション2022

    • 著者名/発表者名
      坂村芳孝
    • 学会等名
      日本機械学会2022年度年次大会
  • [学会発表] 熱・化学的非平衡流れのOpenFOAMシミュレーション2022

    • 著者名/発表者名
      坂村芳孝
    • 学会等名
      日本伝熱学会北陸信越支部春季セミナー
  • [備考] 坂村芳孝の研究室@富山県立大学

    • URL

      https://sakamurray.wordpress.com/

  • [備考] 坂村芳孝の研究室@富山県立大学

    • URL

      https://yoshisaka.gitlab.io/blog/

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公開日: 2023-12-25  

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