研究課題
基盤研究(C)
本研究は,大強度陽子線に励起される圧力波に起因する核破砕中性子源水銀標的容器内のキャビテーション現象について,平行平板に挟まれた壁面境界の影響を受ける流れ場の損傷形成メカニズムと陽子線強度依存性を解明することを目的とした.平行平板内に水中火花放電により発生させた圧力波励起キャビテーションについて,高速度撮影による現象の可視化,気泡崩壊圧の計測を通じて,気泡の成長・崩壊挙動に及ぼす壁面境界及び流れの影響を評価した.
機械工学
液体金属を標的に用いたパルス核破砕中性子源は,日本の他,米国でも開発が進められており,同様に標的容器のキャビテーションによる壊食損傷が標的の高出力化及び長寿命化を妨げる因子になっている.米国では,先行して狭隘壁構造の標的容器を採用している.狭隘部のキャビテーションによる損傷は,標的容器の寿命に直結するため,中性子源開発に係る国際ワークショップでも注目度は高く,狭隘部におけるキャビテーション損傷の解明と出力依存性に関する評価は,世界的に進められている中性子源開発に大きく寄与する.