水素は燃焼速度がメタンの7~8倍と高く,消炎距離も短いことから,未燃メタンの排出に有効である.本研究では改質ガスの成分分析,定容容器を用いた燃焼解析および排ガス分析を行い,通常のメタンの場合と比較した.また,改質ガスを模擬したモデルガスを用いてRCEM燃焼試験を行い,改質による図示熱効率への影響についても調査した. 低温プラズマをメメタンに照射することで,水素,エタンが生成する.最大でメタン転化率45%,水素濃度32%という結果になった.また,FIDによる炭素数分析から,投入したメタンに含まれる炭素原子のうち,約1/5が固体炭素として析出していることが推定された. エネルギ効率は最大でも4%という結果で,またSEIの上昇に伴って,低下した.実機エンジンへの適用を考えるうえでリアクタのエネルギ効率向上は大きな課題である. 定容容器を使った燃焼試験から改質ガスの燃焼期間短縮と未燃メタンおよびCO濃度の低下を確認した.燃焼期間は通常のメタンに比べて相対値で20%短縮.未燃メタンは60%低減した.燃焼前の改質と水素による燃焼促進による二つの効果により未燃メタンが低減したと考えられる. 急速圧縮装置を使った燃焼試験から改質(模擬)ガスの図示熱効率が2.3%(相対値で9.2%)上昇することを確認した.
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