磁性カーボンナノ粒子の光発熱効果を利用した PCR 法を開発した.本手法では,鉄のコアを炭素で被覆したナノ粒子を反応溶液中に分散させ PCR を行う.ナノ粒子表面の炭素の層は近赤外光を吸収して発熱する.本研究では,近赤外光の照射によって溶液を内部から加熱し,PCR を行うために必要な温度変化,いわゆる温度サイクリングをより高速で行うことに成功した.本手法による 3 段階 PCR では,従来法に比べて副産物が少ないことがわかった.またナノ粒子のコアは鉄であるため,磁石を用いて反応溶液から回収することができる.本研究では,回収したナノ粒子を再利用して PCR を行う事にも成功した.
|