| 研究課題/領域番号 |
21K03929
|
|---|
| 研究機関 | 群馬大学 |
|---|
研究代表者 |
山口 誉夫 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (90323328)
|
|---|
| 研究分担者 |
藤井 雄作 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (80357904)
神尾 ちひろ 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (60945327)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
| キーワード | 機械力学・制御 / シミュレーション工学 / 計測工学 |
|---|
| 研究実績の概要 |
生体の動特性について人間の視覚の有無や意識するかどうかを考慮して，研究代表者により提案，定式化され開発された計算コードを援用し，非線形復元力，非線形減衰の同定を行っている．例として手の甲に運動物体(軽いブロック)が軽衝突した場合の復元力特性を数値シミュレーションで再現した.力を入れた場合,リラックスした場合について復元力曲線を元に背骨曲線に沿うように実部を，膨らみを合わせるように虚部を決めて非線形複素ばね係数を定めた.実験で得られた復元力曲線の2つのピークを定性的に再現することができた．力を入れた場合ではリラックスした場合と比較して曲線の復元力が大きくヒステリシスが小さくなっている．これは手に力を入れると筋肉が緊張し硬くなるためエネルギー吸収が減少し運動物体が手の甲に衝突してから離れるまでの接触している時間が短くなるためであると考えられる．また，復元力曲線に2つのピークが現れた理由として，運動物体が手の甲に衝突した際の衝撃が関節の回転を止める力を超えたために座屈のような特性が現れたためと考察した.
今まで得られてきた研究成果に関連して，「International Conference on Technology and Social Science 2021 (ICTSS 2021):2021年テクノロジーと社会科学に関する国際会議」で招待講演として「Numerical Computation of Dynamic Responses for Complicated Systems Involving Living Bodies with Reaction」のタイトルで発表した．
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の当初の計画では，2021年度では,人間の視覚の有無などを考慮して，研究代表者により提案，定式化され開発された計算コードを援用し，生体の動特性について非線形復元力，非線形減衰の同定を行う予定であった．例として,手の甲に運動物体が軽衝突した場合の復元力特性について計算し,視覚情報の有無による動的応答の変化や手首の関節の回転による影響が実験結果と概ね対応する結果を得ている．以上の理由により達成度として「おおむね順調に進展している．」とした．
|
| 今後の研究の推進方策 |
2021年度では，手の甲に運動物体が軽衝突した問題について，視覚情報の有無での動的応答の変化が表現できるような計算法と計算プログラムの開発と検証ができている．2022年度,2023年度では，生体反応を含まない人体の有限要素数値解析モデルに,この独自に提案する生体反応関数(複素関数)数(複素関数)を組み込む検討を行う.関節の接合要素や筋肉要素に生体反応を表現する独自に提案の複素関数を組み込む.これらのモデルの妥当性について介護機械用のロボットアームモデルや介護用移動機械モデルと人体モデルとの接触問題について実験検証を行う。これより、モデルの修正を行う.生体反応を複素関数化して組み込んだ人体詳細モデルを用い,安全生を高めた次世代介護機械システム（介護機械用のロボットアームや介護用移動機械など）を提案する.
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で海外出張、国内出張が不可能であり旅費が使用できなかった。計算機導入が世界的な半導体不足で計画より遅れている。今年度以降に使用していく。
|
