研究実績の概要 |
令和5年度は,主に8枚刃リーマおよび7枚刃リーマについて,多角形化現象を防止するための不等分割刃配置について研究を進めた。8枚刃リーマでは,理論解析の結果,最も不安定度が大きい等分割刃リーマ(Tool A),やや不安定の不等分割刃リーマ(Tool B),5 deg刻みの角度配置で安定化させた不等分割刃リーマ(Tool C)および遺伝的アルゴリズムを用いて安定化させた(Tool D)の4種類を選定した。本解析で使用したパラメータでは,角度配置を適切に配置することで,完全に安定化できることがわかった。実験を行った結果,等分割刃リーマでは,7, 9角形の真円度が大きく,理論解析結果と一致した。また,不等分割刃の効果で,等分割刃より真円度を低減することができることおよび安定化されたTool C, Tool Dでは,真円度のばらつきが最も小さくなることがわかった。また,理論解析から求められるQCR値を活用することにより,刃数によらず工具の評価を定量化できることがわかった。これらの成果をDynamics and Design Conference 2023およびJournal of Physics:Confrerence seriesで発表した。また,7枚刃リーマについても,多角形化現象を抑制できる最適な角度配置を求めることができた。その成果を国際会議ICSV2024で発表予定である。 期間全体にわたり,4, 6, 7, 8枚刃リーマの最適角度配置を理論的に検証し,その有効性を実験により確認できるとともに,最適角度配置を刃数によらず統一的に評価できる理論的基準値(QCR値)を決定することができた。
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