研究実績の概要 |
本研究では, 無人走行・運用されるモバイル車両に焦点をあて, 生体機能の一つである反射行動を応用させ, 自律システムに導入させる提案であり, 整地された剛体路面走行だけではなく不整地地盤での自律制御・走行を目指す提案である. 本年度は, 車両の構造筐体の変化を, 不整地地盤走行中に, ひずみゲージにて取り出すセンシングユニットの試作と実時間データ解析を行なった. 走行試験では, 構造(形状), 重量, スリップ状態, 地盤状態を要素とした試験を複数実施し, 実時間データを獲得した. その際, RMSとそれぞれのパラメータとの関係を相関関数として示すことができ, そのRMSの値をトリガとした簡易地盤判定試験も実施し, 自律的に地盤判定することを実現した. さらに, 実時間データについて周波数解析し, 地盤の特徴を深掘りした解析結果を抽出するに至った. 具体的には, 低周波領域と高周波領域についてフィルタをかけずに考察してみると, 走行地盤の種類との相関があることがわかった. つまりモバイル車両の筐体歪みを実時間でモニタリングする際, パワースペクトルの高い周波数帯・領域・値を抽出することで, スリップなどの走行状態が把握できることがわかった.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は, モバイル車両の運動・行動にバリエーションを持たせ, 直進走行および旋回時の走行状態および地盤状態をモバイル車両自身に把握させるシステムを構築させることに挑む. 具体的には, 筐体のひずみ(曲げや垂直ひずみ)をモニタリングし, 走行状態との相関を取り, 車輪のトラクションコントロール(走行アルゴリズムの構築)を目指す. 実際のトラクション値のモニタリング(比較値)にはフォースセンサにより取得し, ひずみデータの真意性(力との相関も明確化していく)もその都度確認しながら実施していく予定である.
|