研究成果の概要 |
本申請では, 自律性が求められる月惑星探査ローバに, 生物機能を模倣・応用した特徴的なセンシングシステムを組み込んだ走行制御に関する研究に挑戦した. 月や火星のような重力天体の表面には, レゴリスと呼ばれる軟弱地盤が堆積している. 軟弱地盤を含んだ不均一地盤環境では, ローバの移動により動的な負荷が地盤に与えられると予想できない滑り, 崩れ, 破壊などが発生する. そこで, 探査ローバの移動時に発生する振動の動的負荷をセンシングし, 外部環境を推定させ, 走行時に発生する滑りと沈下現象を生物のように反射的に同定させ, 経路計画のための走行アルゴリズムを構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究にて実施した斜面走行試験では, 車輪のシャシには小さい歪み(搭載した歪みセンサにより実時間データ獲得)を起こし, “滑”走とともにその歪み値の上昇や解放が確認されている. このシャシの歪みデータの独自性(値のボリューム(振幅)と上昇・下降率, 周期)と, 外部環境との相関性を数学的モデルに落とし込むことによって, 危険な外部環境と対峙した瞬間, モバイルロボットに起きる現象を事前予測できることは大変画期的であり, 学術的意義および高い必要性があると言える.
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