研究課題/領域番号 |
21K03953
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
黒沢 良夫 帝京大学, 理工学部, 准教授 (60631885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 音響 / 振動 / CAE / 音響メタマテリアル / 自動車 |
研究実績の概要 |
音響メタマテリアルについては、PPをハニカム構造に加工したものの上下にフィルムを貼り,中央部分に穴を開けたテストピースをFEモデルで作成し,吸音率の計測と数値計算を行った. 2つの吸音率のピークが発生し,1つはフィルムの膜振動,もう1つはヘルムホルツ共鳴による吸音であることを明らかにした.フィルムの膜振動では,中央に穴が開いたことで張力が下がり吸音率のピーク周波数が下がったと考えられる.Helmholtz共鳴はフィルム振動との連成により吸音率のピーク周波数が上がったと考えられる. フィルムの材質や厚さ,穴の大きさ,ハニカムの高さやセルの大きさを変更して上記2つの吸音率のピーク周波数とピーク値の影響を明らかにした.フィルムのヤング率と厚さは膜振動のピーク周波数・吸音率、Helmholtz共鳴のピーク周波数・吸音率とも正の相関を示した.フィルムの密度は,膜振動のピーク周波数・吸音率、Helmholtz共鳴のピーク周波数・吸音率とも負の相関を示した.フィルムの減衰はピーク周波数は変化せず,膜振動の吸音率には負の相関、Helmholtz共鳴の吸音率には正の相関を示した.穴径に関しては,膜振動のピーク周波数・吸音率、Helmholtz共鳴のピーク周波数は正の相関を示し,吸音率は負の相関を示した.セルの高さは膜振動のピーク周波数は影響なく,吸音率は正の相関を示し,Helmholtz共鳴のピーク周波数・吸音率は負の相関を示した.セルサイズは膜振動のピーク周波数・吸音率、Helmholtz共鳴のピーク周波数・吸音率とも負の相関を示した. 上記に関して,内容をまとめ学会発表等を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
音響メタマテリアルに関しては,吸音の実験結果と計算結果はおおよそ一致し,CAEによるさまざまなパラメータスタディの結果から,今後どのような構造・形状のものが優れた音響性能を発揮できるか明確になりつつある.
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今後の研究の推進方策 |
音響メタマテリアルについては,遮音性能に関する実験やFEモデル化を実施していく.2022年9月の日本機械学会Dynamics and Design Conference 2022にて音響メタマテリアルに吸音材(フェルト)を積層した場合の遮音性能に関する研究成果を論文発表予定である. CNF(セルロースナノファイバー)については,音響メタマテリアルの進捗具合により平行して研究を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
USPプローブのレンタル費用が割引になり今年度の予算で余りが生じた.余った分は購入のために今年度分と合わせて使用予定である。
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