研究実績の概要 |
セルロースナノファイバーに関しては、以下の通りである。 3種類のフェルトにゲル状のCNFを吹きかけ乾燥させることで積層したサンプルの吸音率、流れ抵抗を計測した。ゲル状のCNFは単体で乾燥するとフィルム状になった。フェルトに吹きかけると、フェルトの上面に通気抵抗の高い層が形成された。CNFを積層すると、3種類のフェルトとも吸音率のピーク周波数が低周波側に移動した。これは、CNFの層により通気のない(通気抵抗の大きい)フィルムを積層した場合と同様の効果と考えられる。流れ抵抗は、おおよそCNFの量に正の相関で大きくなることが確認できた。上記に関して、内容をまとめて学会発表を行った。 音響メタマテリアルに関しては、以下の通りである。 自動車用防音材として用いる、PPをハニカム構造に加工したものの上下にフィルムを貼り、4種類のパターン(穴なし、上面、下面、両面)でセルの中央に穴を開けた音響メタマテリアルのテストピースを作成し、3種類の積層パターン(パネル+フェルト+メタマテリアル、パネル+メタマテリアル+フェルト、パネル+フェルト+メタマテリアル+フェルト)と組み合わせて、最上部にゴムを積層した計12種類の透過損失の計測を行った。ゴムを最上部に置くことにより、すべてのモデルで遮音性能が大きく向上した。下面フェルトでは、約1250~3150Hzにおいて穴なし、下面穴と上面穴,両面穴で差が生じ,上面フェルトでは約1250~3150Hzにおいて穴なし、上面穴と下面穴、両面穴で差が生じ、下面に穴を開ける方が高性能になった。上下面フェルトでは計測結果において1250Hz付近で穴径による差がみられた。また、テストピースと同様のFEモデルを作成し、透過損失を計算した。計算結果は下面フェルト、上面フェルトでは計測結果をおおよそ再現できた。記に関して、内容をまとめて学会発表を行った。
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