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2023 年度 実施状況報告書

下肢整形外科手術支援のためのMS-FE解析に基づく術後予測手法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K03955
研究機関中部大学

研究代表者

安達 和彦  中部大学, 工学部, 教授 (30243322)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード有限要素解析 / 骨接合術 / インプラント / 術後予測 / 骨リモデリング
研究実績の概要

本研究課題では,骨リモデリングをMS-FE解析に組み込むことで,大腿骨近位部の骨折治療の術後予測を実現することを目的とする。ベースとなるMS-FE解析はABAQUS上で開発してきたので,当初はABAQUSサブルーチンでの骨リモデリングの構築を試みたがABAQUSサブルーチン実行環境が整わず,代替の手法を構築するに至った。代替の手法では骨密度の経年変化の計算モデルを採用し,骨密度が低下していないと仮定した健常モデルに対して,想定する年数経過による骨密度の低下を模擬した経年モデルをオフラインで逐次作成し,ABAQUS上で経年モデルに対してMS-FE解析を実行する簡易手法となった。
2023年度は,健常モデルに対するMS-FE解析と,骨密度の経年変化の計算モデルで得た経年モデルに対するMS-FE解析を比較することで,経年予測の実現可能性を示唆する結果を得た。さらに,骨折治療を想定した治療モデルに対する経年モデルと,不顕性骨折を想定して骨折線が入った不顕性モデルに対する経年モデルが構築できたが,ABAQUS上で同経年モデルでのMS-FE解析には至らなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は,健常モデルに対するMS-FE解析と,骨密度の経年変化の計算モデルで得た経年モデルに対するMS-FE解析を比較することで,経年予測の実現可能性を示唆する結果を得た。本研究課題での目的とする骨折治療の術後予測については,大腿骨近位部の骨折接合術を想定したインプラント刺入済みの治療モデルに対する経年モデルが構築できたもののABAQUS上で同経年モデルでのMS-FE解析には至らず,研究成果として不十分となった。一方で,大腿骨転子部不顕性骨折を想定して骨折線が入った不顕性モデルに対する経年モデル構築の見通しが得られ,研究対象の拡がりが予想された。

今後の研究の推進方策

2023年度に構築した治療モデルの経年モデルに対してMS-FE解析を試行し,報告されている実臨床症例(公開文献情報)での骨接合術に対するフォローアップと比較することで大腿骨近位部の骨折治療の術後予測の程度を判断する。併せて,不顕性モデルの経年モデルに対してMS-FE解析を試行し,転子部不顕性骨折の骨折線進展リスク評価を試みる。これらの結果を総括し,学術論文として公表する。

次年度使用額が生じた理由

2023年度も国際会議と国内講演会での研究成果発表を想定した旅費を当初に計上していたが,国際会議での発表採択に至らず国内講演会での成果発表のみとなった。2023年度の研究で改良の余地があることから,海外渡航旅費相当分を次年度使用額とし研究期間を延長した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CT-有限要素法による転子部不顕性骨折の進展予測における骨折線モデル化の影響検討2023

    • 著者名/発表者名
      安達和彦、野田光昭
    • 学会等名
      第50回日本臨床バイオメカニクス学会

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公開日: 2024-12-25  

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