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2023 年度 実施状況報告書

無重力下と重力下での粉粒体ダンパの状態遷移を特徴づけるパラメータの統一的理解

研究課題

研究課題/領域番号 21K03959
研究機関都城工業高等専門学校

研究代表者

若生 潤一  都城工業高等専門学校, 一般科目理科, 教授 (50353355)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード粉粒体ダンパ / 離散要素法シミュレーション / 1粒子モデル / 気体分子運動論
研究実績の概要

本研究では、重力下および無重力下において加振された粉粒体ダンパ中の粉粒体の状態遷移についての統一的な理解を得るために、離散要素法を用いた数値シミュレーションを実施する。大規模シミュレーションを実施するための計算サーバーを購入し、ハード・ソフト両面における計算環境を整え、安定的に運用を行っている。既に3次元の離散要素法を用いた数値シミュレーションのプログラムを完成させている。現在本研究の主題である粉粒体の状態遷移についての、粒子半径、反発係数、加振の振幅、振動数等のパラメータを広範囲に変えた大規模シミュレーションを実施しているところである。また、粉粒体ダンパ内の粉粒体粒子の運動の様子を3次元の動画として可視化するプログラムも作成した。
同時に、より理論的な取り扱いが簡単な無重力下の粉粒体ダンパの状態遷移について理論研究を行っている。加振の振幅が小さいときの粉粒体が高密度の層をつくる状態について、1粒子モデルに基づいて、粉粒体ダンパの周波数応答に関する理論的解析を行っている。理論の予測と数値シミュレーションの結果を比較し、モデルの有効性を検証している途中である。また、加振の振幅を大きくしていったときに現れる粉粒体が容器全体に広がった気体的状態についても、粉粒体からなる気体の弾性体としての特徴を考慮したモデルを構築し、粉粒体ダンパの周波数応答に関する理論的解析を行っている。こちらについても理論と数値シミュレーションの結果を比較し、モデルの有効性を検証している途中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

担当している校務の想定外の負担により、研究の進展に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

まず、より理論的な取り扱いが簡単な無重力下の粉粒体ダンパの状態遷移についての研究をまとめる。加振の振幅が小さいときの粉粒体が高密度の層をつくる状態について、現在行っている1粒子モデルに基づく理論的解析の結果と数値シミュレーションの結果を比較し、1粒子モデルの有効性を検証した結果をまとめる。加振の振幅を大きくしていったときに現れる粉粒体が容器全体に広がった気体的状態についても、粉粒体からなる気体の弾性体としての特徴を考慮したモデルを構築し、理論と数値シミュレーションの結果を比較し、モデルの有効性を検証した結果をまとめる。
次に、重力下の粉粒体ダンパの状態遷移についても、無重力下の場合に用いた理論モデルを用いてダンパの周波数応答の理論的解析を行う。加振の振幅を大きくしていったときに起こる粉体層が底面近傍で弾んでいる状態から、高密度層が低密度層の上に乗っている密度反転状態への遷移を、各種パラメータを広範囲に変えたシミュレーションにより調べる。理論の解析と大規模数値シミュレーションの結果を総合し、遷移を特徴づける制御パラメータを明らかにする。
最終的に、無重力下、重力下での加振された粉粒体の状態遷移の研究成果を統合し、重力の有無に関わらず、粉粒体ダンパが加振された時の粉粒体の振る舞いを統一的に説明するための理論的枠組みを提示する。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗が遅れたため研究成果の学科発表等のための出張ができず、次年度使用額が生じた。次年度は研究打ち合わせや研究成果の学会発表等の出張に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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