研究課題/領域番号 |
21K03973
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
積際 徹 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (90362912)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 人間-機械協調系 / マンマシンインターフェース / ロボット / 脳機能解析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、筋・脳賦活状態と運動特性、主観評価を相互に解析することにより、作業対象の動特性に対する人間の認知過程の一端について明らかにすることである。筋・脳賦活状態と運動に関わるデータと人間の心理状態を紐付けることができれば、力学的な相互作用を伴う作業や操作機器の動特性設計を定量的に実現するための有益な基盤情報になり、直感的かつ容易に操作・操縦できるような機器や操作インターフェースが実現できると考えられる。 本研究では、人間が操作する作業対象の動特性(例えば、インピーダンス特性として表現される慣性、粘性、剛性などの動特性)に対する人間の応答特性・認知過程を明らかにするために、三次元位置計測装置や力覚センサによる運動計測(人間の運動中の位置や力の計測)、fNIRS、筋電位計による脳血流変化量、筋電位計測を行い、得られたデータの解析を実施する。また、人間の感性評価を実現する主観評価については、アンケート等による調査を行い、種々のデータとともに多面的な解析を試みる。 本年度(2021年度)の研究成果としては、(1)実験実施に必要な環境の構築、(2)計測実験の実施、(3)データ解析法の確立が挙げられる。これらの成果によって、研究目的達成のために必要となるデータ収集や解析に関わる実現可能性を示すことができた。次年度以降は、解析結果に関わる各パラメータ間の関連性や相関についての検討を通して、研究目的となる“作業対象の動特性に対する人間の応答特性・認知過程の一端について明らかにすること”を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度(令和3年度)においては、光トポグラフィ装置(fNIRS)により得られる、作業・運動中における被験者の脳賦活状態に関わるデータや、筋賦活状態、ならびに、運動に関わる位置・力データを相互的に解析し、実験対象となった作業や運動に対する人間の応答特性を明らかにすることができた。当初の計画通り、研究期間の初年度において、筋肉の賦活状態、生体・生理情報、位置や力データなどに表れる運動データとともに、脳賦活状態に関わるデータについて複合的な解析を実施することで、ユニークな結果が得られ、脳と筋肉の賦活状態に関わる関係性の一端を明らかにできたと考えている。 今年度においては、作業対象の動特性(慣性、粘性)に差異を設けた条件下での動作実験、ならびに、人間同士の協調作業を対象として実験を実施し、得られた結果についての解析を行ったところである。今後は得られた知見をもとに解析を深化させるだけでなく、PDCAサイクルによる評価に基づきつつ、継続して実験・解析を行う予定である。次年度においては、作業対象の動特性や、人同士の協調作業特性が、ヒトの応答に与える影響に関する本質解明を目指し、データ解析手法をさらに深化させ、得られた解析結果についての考察を行っていく予定である。 なお、上記の実施項目に関して得られた知見・結果については、現在、データ解析と取りまとめを行っており、一部については論文投稿ならびに学会発表を行ったところである。以上より、本年度(2021年度)の達成度は、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の2年度目となる2022年度(令和4年度)の研究計画は、2021年度に引き続いて、作業対象が有する動特性や動作特性に対するヒトの認知能力や認知特性を解明するため、光トポグラフィ装置(fNIRS)を用いて、被験者の脳機能の賦活状態に関する解析を行うとともに、筋肉の賦活状態や運動データについての解析を進めていく。これらの研究を通して、生体・生理情報を含めた複合データに関する解析結果を基に、作業対象の動特性や、人同士の協調作業特性がヒトの応答に与える影響に関する本質解明の一端を明らかにすることを目指す。また、研究の全体的な総括に向けて、本研究を通して得られた知見・結果を広く公開すべく、昨年度に引き続いて、論文執筆を行う予定である。 なお、研究が当初計画どおりに進まない場合の対応として、それぞれの研究実施段階において、PDCA (Plan-Do-Check-Action)サイクルを確立することで常にフィードバックを行い、研究実施計画に支障が生じないよう、改善を図る予定である。
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