研究実績の概要 |
触覚センサのなかでも力覚センサは力(圧力)やトルクの大きさ、向きを検出するセンサであり、静電容量式、圧電式などが一般的である。本研究では 3 本の FBG(Fiber Bragg Grating, 反射中心波長:1550±0.5 nm、グレーティング長:5 mm)を三つ編みにし、ソフトマテリアルで硬化したものを光学式触覚センサとして提案し、基礎的な実験を行った。 FBG3 本(FBG_A、FBG_B、FBG_C)のグレーティング領域を長手方向にABC の順に5 mmずつずらながら連続するように配置し、長さ15 mm、直径約 2 mmのセンサ部とするようソフトマテリアルで硬化した。グレーティング領域の10 mm手前から2.5 mm間隔で計15 点に対し0.2Nの力を、フォースゲージ(接触部面積:0.016 mm^2)により加えながら各FBGの反射光スペクトルを測定した。センサ部の構造として以下の三つの場合について同様の実験を行った。 (1)FBG3 本を直線的に配置しソフトマテリアルのみで硬化 (2)FBG3 本を三つ編みにしてソフトマテリアルのみで硬化 (3)FBG3 本を三つ編みにして局所的に接着剤で硬化後にソフトマテリアルで硬化 荷重印加による反射中心波長の最大変化量は(1)0.40 nm(-0.22~0.18 nm) (2)0.73 nm(-0.29~0.44 nm) (3)0.93 nm (-0.64~0.29 nm) であり、直線形状よりも三つ編み形状の方が、また同じ三つ編み形状でも局所的に接着剤による硬化を行った方が反射中心波長は大きく変化した。三つ編み形状にすることで、また、ヤング率の大きな接着剤で局所的な硬化を行うことでセンサの非対称性が増加したことが起因したと考えられる。実際、反射光スペクトルの半値幅の変化は局所的な硬化を行った(3)の場合にのみ確認された。
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