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2022 年度 実施状況報告書

ダイヤモンドパワ-デバイスのノンドープ層耐圧低下要因パラメータの分離抽出

研究課題

研究課題/領域番号 21K04005
研究機関九州工業大学

研究代表者

渡邉 晃彦  九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (80363406)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードダイヤモンド / パワーデバイス / TEG / スナップバック
研究実績の概要

本研究の目的は、ダイヤモンドパワ-デバイスのノンドープ耐圧層における耐圧低下要因を、独自に提案したp+ - i - p+構造のTEGを用いて評価することで実験的に検証し、設計に必要な基本パラメータを取得することにある。本研究期間中に明らかにする項目は(1)不純物混入が殆どないi層耐圧の温度依存性、(2)i層内混入不純物が耐圧に及ぼす影響、(3)i層内混入不純物が濃度勾配をもつ場合の耐圧変化、(4)p+ - n - p+構造TEGによるダイオード特性評価の可能性、である。
昨年度p+ i p+構造TEGにおいて高電圧を印加すると印加電圧140V付近で電圧が減少しながら電流が急激に増加するスナップバックが起きることを見出した。スナップバックが発生する原因としてi層に含まれる極微量なn型ドーパントが考えられ、本年度はi層に意図的に極微量のリン(P)をドープしたp+ n- p+構造TEGを作製し検証した。結果として、スナップバックが発生する印加電圧はp+ i p+構造では100~180Vであったのに対しp+ n - p+構造では約700Vであった。スナップバックの発生する閾値電圧は両者で違いが生じたが、スナップバックが発生した時の基板温度は両者とも約60℃であった。ただし、この温度はそれぞれのi層に含まれていると考えられるN、Pの活性化エネルギーよりも低い。これまでの結果から、スナップバックはp+i(n-)p+特有の現象であり、i層に含まれる極微量のn型ドーパントが寄与していること、発生にはある程度の温度上昇を伴うことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究期間中に明らかにする4つの項目の内、(1)不純物混入が殆どないi層耐圧の温度依存性、(2)i層内混入不純物が耐圧に及ぼす影響、(4)p+ - n - p+構造TEGによるダイオード特性評価の可能性、について知見が得られている。

今後の研究の推進方策

本研究期間中に明らかにする項目の、(1)不純物混入が殆どないi層耐圧の温度依存性、(2)i層内混入不純物が耐圧に及ぼす影響、については、スナップバック現象の発生メカニズムを明らかにするために、温度制御を切り分けて温度依存性を明確にするとともに、電圧印加時の容量変化を確認するためのTEGを新たに作製し、スナップバック発生時の界面における容量変化を明らかにする。(4)については、本年度i層にn型ドーパントを加えたTEGを作製し、p+ n- p+構造においてもスナップバックが発生することを見出した。次年度は上記の研究によりスナップバック発生メカニズムを明らかにすることを優先し、発生メカニズムのモデルが構築できた段階で(3)(4)によりスナップバックの不純物濃度依存性を明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] ダイヤモンドpip構造のスナップバック現象2022

    • 著者名/発表者名
      松本有吾、後藤成雅、渡邉晃彦
    • 学会等名
      第36回ダイヤモンドシンポジウム
  • [学会発表] Snapback of diamond p-n-p structure2022

    • 著者名/発表者名
      K. Mishima, Y. Matsumoto and A. Watanabe
    • 学会等名
      10th International Symposium on Applied Engineering and Sciences (SAES2022)
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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