研究課題/領域番号 |
21K04008
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
土方 規実雄 東京都市大学, 理工学部, 講師 (70710507)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 電動機 / 同期機 / バーニアモータ / 高速回転 |
研究実績の概要 |
本研究は,回転磁界より回転子が速く回転する,これまでにない新しい高速モータの開発を目的としている。従来の同期モータは,回転子が回転磁界と同じ速度に同期して回転することでトルクを発生している。一方で,提案するモータは固定子と回転子の歯数の組み合わせによってモータ自身が磁気ギアのような効果を生じ,回転子が回転磁界より速く回転する増速の効果を得ることができる。本応募課題では,提案するモータについて,(1)回転の原理および発生するトルクの解析的検討,(2)有限要素法解析と実機試験によるトルクの検証,(3)実用化に向けた性能向上の基礎的検討,の実施を計画している。 2021年度においては,試作機のインダクタンスや電圧・電流の関係を理論・実験の両面から検討した。特に,前述の仮想の物理的な意味や回転子に合わせて設定される回転座標系上で各パラメータがどのように表されるのか,一般的なdq座標系上のパラメータとの関係がどのようになるのか,などについて検討した。また,25,000 r/minまでの高速回転に対応した小野測器製のトルクメータを調達し,そのトルクメータとmaxom社製の高速直流モータを組み合わせて提案モータの試験ベンチを作成した。試験ベンチの動作確認の試験においては,24,000 r/minまで試験機を安定して駆動できることを確認した。下半期には,作成した試験ベンチを用いて電動機試験を実施する予定であったが,コロナ禍のために実験の実施は一部にとどまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により,実験室の使用が大幅に制限されたために計画していた試作機の試験の一部が実施できなかった。 当初の予定において2021年度には,(1)提案する増速形バーニアモータの解析的検討,(2)提案モータの性能を評価するための電動機試験ベンチの製作,(3)実機試験による提案モータの性能評価,を実施予定であった。これらのうち,(1)と(2)が完了し,(3)が未完了である。(1)については机上での検討のため自宅待機中においても進行可能であった。(2)と(3)については実験室の使用が制限されている中で可能な限り作業を進めたが,(3)の完了には至らなかった。 実機試験においては,これまでに提案する増速形バーニアモータ試作機を22,000rpmまで駆動できることを確認している。今後,早急に実験を実施したい。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の上半期において,2021年度中に実施を予定していた提案する増速形バーニアモータの実機試験を実施する。当初の計画では2022年度は主に有限要素法解析による提案モータの性能評価や,実用化に向けた性能向上に関する検討を実施予定であった。これらの作業は,仮にコロナ禍によって実験室の使用が制限されていても進行可能であるため,上記の実機試験とあわせて,実施内容を改めて精査するとともにうまく時間配分を調整して実施していきたい。
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