提案する増速形バーニアモータは,これまでの同期機では困難であった多極の巻線を用いて高速モータを構成することを可能にする。多極の巻線を用いることで,巻線のコイルエンドを小さくしたり,固定子鉄心のヨーク厚を薄くして巻線を巻くことができる部分を増やしたりすることができる。したがって,単位体積当たりの出力を向上できる可能性があり,モータを搭載する機器の小型化・軽量化に貢献できる。本研究課題では提案モータの基本的な構造と特性を明らかにするとともに,ベクトル制御が可能であることを試作機を用いた実験によって示すことができた。これらの研究成果は,今後,提案モータの実用化を検討する上で基礎となると考えられる。
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