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2021 年度 実施状況報告書

高電圧インパルスによる高効率ワクモ殺虫技術の構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K04013
研究機関大分工業高等専門学校

研究代表者

上野 崇寿  大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 准教授 (30508867)

研究分担者 八田 岳士  北里大学, 医学部, 准教授 (00455304)
古川 隼士  北里大学, 医療衛生学部, 講師 (90632729)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードインパルス高電圧 / ワクモ殺虫 / 高電圧パルス殺虫
研究実績の概要

ダニの一種であるワクモによる養鶏業への被害は深刻であり,ワクモが鶏へ寄生することで,産卵率の低下や汚卵の発生,最悪の場合死亡等を引き起こす.これらの対策として薬剤を用いた駆除が一般的に行われているが,薬剤に耐性を持つ個体が近年発生しており,その殺虫率が大きく低下していることが報告されている.現在では,その報告は本州内に留まっているものの,全国への被害の拡大は免れない状況にある.
そこで本研究では,薬剤耐性を持つワクモに対する新たな殺虫方法として高電圧インパルス発生装置による電撃殺虫を提案し,その効果を確認した.
電極間隔0.5 mmの平行平板電極では平均2.4 kV,電極間隔1.0 mmの基盤では平均3.8 kVの放電電圧であり,いずれの電極間隔においても,最大殺虫率がそれぞれ58%から60 %の殺虫率を実現したことが確認された.また,電極間隔0.5 mmの実験結果において,インパルス電圧を印加した際に流れる電流が34 mAである時に殺虫率が36 %程度と他の結果と比べ低い値となった.さらに電極構造を変化させ,櫛状とすることで80%以上の殺虫率の増加を実現させることができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ねインパルスにて殺虫できることが判った.また電極構造を可変させることで殺虫率を高めることも明らかとなったため.

今後の研究の推進方策

インパルス電圧による殺虫が実現できたため,次年度は以下に重点をおき研究を推進する.
1.電極微細化によるワクモ誘引型リアクタの開発:ワクモは,昼間には養鶏場の設備間の数mmの隙間や養鶏場隅等の暗部に潜み,夜間に養鶏に寄生し吸血を行う習性を持っている.暗闇や光の届かない隙間を好む習性(走暗性)を持っていることから,電極の構造をmm単位で微細化し,ワクモが自ら誘引されるリアクタを開発する.微細化電極をプリント基板加工および旋盤加工によって実現し,平板電極を重ね合わせたスタック型のリアクタを作製することで形状の違いによるワクモの誘引性を検証する.
2.高電圧インパルス殺虫の高効率化:導出した殺虫機序解明による殺虫に最適な電気的パラメータおよび開発したリアクタを踏まえ,ワクモへのインパルス電圧の印加を行う.その殺虫効率は,ピレスロイド系薬剤と同程度である90%以上の高効率殺虫を目指す.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍にて出張が中止になり,また半導体スイッチの納期が次年度にずれ込んだため.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] インパルス高電圧によるワクモ殺虫技術の構築2021

    • 著者名/発表者名
      溝部裕真,上野崇寿
    • 学会等名
      高専シンポジウム
  • [産業財産権] ダニ類の駆除装置および駆除方法2022

    • 発明者名
      上野 崇寿, 笠間, 俊次, 八田岳士, 古川隼士
    • 権利者名
      上野 崇寿, 笠間, 俊次, 八田岳士, 古川隼士
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2022-15723

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公開日: 2022-12-28  

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