| 研究課題/領域番号 |
21K04046
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| 研究機関 | 日本工業大学 |
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研究代表者 |
竹村 暢康 日本工業大学, 基幹工学部, 教授 (90747023)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 全二重無線通信 / 空間ダイバーシティ / 固有ビームフォーミング |
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| 研究実績の概要 |
本研究では，ミリ波帯にて全二重無線通信技術を用いたSDD方式を適用する場合を想定し，各基地局のスモールセル内における端末間干渉を抑圧しつつ，基地局と端末間のシステム伝送路容量の向上を実現することを最終的な目標としている．
当該年度は，ミリ波帯における全二重無線通信技術を用いたSDD方式を適用した移動通信用MIMO端末において、指向性や偏波を切り換える空間ダイバーシティを適用した小型な端末構成について検討した．端末はスマートフォンサイズとし，端末内の限られたスペースに複数のアンテナを配置するため，端末の上部と下部に各々4つのアンテナを配置して，合計8つのアンテナの中から4つのアンテナを選択することで，アンテナの指向性と水平および垂直の偏波を切り換える空間ダイバーシティを実現した．アンテナ素子はミリ波帯で動作する基板実装型の逆Fアンテナで構成し，電磁界シミュレーションによりアンテナ素子の形状や配置等を最適化し，所望のアンテナ特性を実現する端末を設計した．
さらに，設計した端末を用いて，端末間のMIMOチャネルに対する固有モード伝送において，上位の固有値に対してヌルビームフォーミングを行うMIMO固有ビームフォーミングを適用した際の端末間干渉を数値解析により評価した．空間ダイバーシティを適用していない従来の4素子MIMO端末と比較して，MIMO端末に空間ダイバーシティを適用することで端末間干渉を抑圧できることを確認した．また，以上の空間ダイバーシティを適用した小型な端末構成と，その端末を用いた端末間干渉の評価結果を学会にて発表した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はミリ波帯における移動通信システムにおいて，指向性や偏波を切り換える空間ダイバーシティを適用した端末構成について検討した．検討した端末を用いて，端末間のMIMOチャネルに対する固有モード伝送において，上位の固有値に対してヌルビームフォーミングを行うMIMO固有ビームフォーミングにより，端末間干渉を抑圧できることを確認した．計画通りに進み成果も得られていることから，おおむね順調に進展している．
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は，これまでに検討した端末アンテナを用いて，ミリ波帯において，シミュレーションによるシステム伝送路容量の評価を行う予定である．レイトレーシング法による電波伝搬解析ツールを用いて，端末間および基地局と端末間の伝搬特性を明らかにし，端末アンテナの指向性を考慮した屋外環境でのマルチパスによる影響を評価する．屋外電波伝搬モデルのシミュレーションにより得られた伝搬特性の結果から，端末間干渉および基地局と携帯端末間の伝送路容量を評価し，ミリ波帯における伝搬特性の特徴を明らかにする．また、端末に指向性および偏波を切り換える空間ダイバーシティを適用することで、端末間干渉の抑圧および伝送容量の向上が可能であることを検証する．屋外環境におけるマルチパス等の影響について考慮した場合，端末において空間ダイバーシティとMIMO固有ビームフォーミングを適用することによる効果を定量的に明らかにする．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
（理由）新型コロナの影響により，国内会議および国際会議への参加ができなかったため，旅費を使用することができなかった．また，設計したアンテナの試作を計画していたが，電磁界解析による最適設計を優先したため，次年度使用額が生じた．
（使用計画）次年度使用額は，国内会議および国際会議などの成果発表や動向調査のための旅費・学会参加費としての使用を計画している．また，設計したアンテナを試作するための費用として使用する．
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